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Network Grepで手軽なパケットキャプチャ 宮本 久仁男 |
パケットキャプチャのツールとしては、tcpdumpやEtherealなどがよく使われるが、パケットに含まれるテキストデータの内容を基にキャプチャしたいなどの場合は、これらのツールよりも Network Grep(ngrep)と呼ばれるツールを用いる方が効率的な場合がある。
●ソースコードの入手、コンパイル
ngrepの公式サイトからアーカイブを入手し、コンパイルを行う。最新版は、5月9日時点で1.42である。
【Network Grep】 http://ngrep.sourceforge.net/ |
コンパイルに当たっては、libpcapが必要だが、パケットキャプチャにtcpdumpやEtherealを活用している環境であれば、すでにlibpcapは入っていると考えて差し支えない。必要であれば、UNIX版はtcpdump公式サイトから、Win32版はWinPcap公式サイトから入手可能だ。
【tcpdump】 http://www.tcpdump.org/ 【WinPcap】 http://winpcap.polito.it/ |
Debian GNU/Linux 3.0を使っている場合、apt-get install libpcap-devを実行して、開発用ライブラリを導入しておこう。なお、Debianの場合、ngrepは普通にapt-get install ngrepとしてインストールできるが、バージョンが若干古い。
コンパイルは通常どおりにアーカイブを展開した後、./configure + makeで可能だ。また、Win32版バイナリもngrepの公式サイトから入手可能だが、WinPcapをあらかじめインストールしておく必要があるので注意が必要だ。
●使用可能な機能
ngrepは、ネットワークキャプチャプログラムとして基本的な機能を備えている。特徴的な機能は以下に挙げるものだろう。
and/or/notによるポートなどの条件指定
ngrep not port 80とすることで、80番ポートに対するもの「以外」のパケットをキャプチャ、表示することが可能である。
正規表現によるパケット内のデータマッチングおよび表示
ngrep [a-zA-Z] port 23とすることで、パケット内にアルファベットが入る場合にパケットを表示する。
表示の形式を選べる
ngrep v1.42で使用可能になった機能だ。ngrep -W byline port 80と記述することで、HTTPリクエストやリプライの内容(特にヘッダなど)を見やすくすることが可能になる。以下に例を示す。
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