ユーザビリティのヒント（1）

多くのユーザーは
一度に1本しかジュースを買わない
「自動販売機での不要な動作から考える」

ソシオメディア　上野 学
2006/6/2

ユーザーインターフェイスにゲームを持ち込まない

　タスクを進行させるために利用するユーザーインターフェイスには、ユーザーの反射神経、記憶力、勘などを意図的に試すような、ゲーム性の高い仕掛けを用意するべきではありません。システムを利用するユーザーは、自分にとって有用な情報や機能をできるだけ早く見つけだし、できるだけ少ない労力で作業を行い、目的を達成しようとしています。ゲーム性の高いインターフェイスはタスクを阻害するだけでなく、インターフェイス要素の学習にユーザーの意識を奪ってしまうため、本来のタスクを見失わせてしまう恐れもあります。

　例えば、画面内でクリック可能なスポットを宝探しのように探させたり、リンク先をランダムに変化させたりといったことがあってはいけません。また、操作可能なオブジェクトがアニメーションによって移動したり、非常に短い時間ポインターを特定の座標に持っていかないといけなかったりするインタラクションは不適切です。「何が出てくるかはクリックしてのお楽しみ」といた演出も、その操作自体がエンターテインメント性を持ったコンテンツの一部でない限り、ある目的を達成しようとしてそのシステムを利用しているユーザーにとっては大きなストレスとなる恐れがあります。ユーザーは宝探しをしたいのではなく、宝が欲しいのです。

3/6

INDEX
ユーザビリティのヒント（1）
	Page1＜不必要な情報をユーザーから求めない＞
	Page2＜エッジケースを過大視しない＞
	Page3＜ユーザーインターフェイスにゲームを持ち込まない＞
	Page4＜複雑なマウス操作を要求しない＞
	Page5＜マウスとキーボードのコンビネーションを減らす＞
	Page6＜スプリング式の操作をできるだけ排除する＞

関連記事

　

＠ITメールマガジン　新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます（無料）