JavaとFlex/AIRをつなぐ「炎」のオープンソース
Tomcatを使ったサーバPushもできるBlazeDSとは?
クラスメソッド株式会社
友田 翼
2007/12/27
Flexのチャットアプリケーション
最後にSample7です。Sample7はチャットアプリケーションで、クライアントからのメッセージ送信を可能にしています。
このチャットアプリケーションを2つのWebブラウザで開き、アプリケーション内のテキスト入力欄に文字を入力し「Send」ボタンを押下すると、入力した文字列が開いた2つのブラウザのテキストエリア内に表示されます。
図5 Sample7の使用例 |
メッセージの送信を行うには、「Producer」というFlexクラスを使用しています。メッセージの送信先を「destination」に指定します。
また、このサンプルではメッセージの受信も行うために、「Consumer」というFlexクラスも定義してあります。同じ「destination」を指定しているので、Producerが送信したメッセージをConsumerが受け取り、チャットとして成立することになります。下記がMXML内でのProducerとConsumerの宣言部分になります。
<mx:Producer id="producer" destination="chat"/> |
「destination」の設定はSample6と同じく「WEB-INF\flex\messaging-config.xml」に設定してあります。
開発に便利なツール「blazeds-console」
BlazeDSには、「blazeds-console」というアプリケーションが付属しています。balzeds-consoleを使用するには、Webブラウザで「http://127.0.0.1:8400/blazeds-console/」を開きます。
図6 blazeds-console起動画面 |
このアプリケーションでは、BlazeDSへ接続しているFlexクライアント数やセッション数、AMFのスループットなどの情報がグラフィカルに監視できたり、end pointやdestinationの管理、ログの管理などができるようになっていて非常に便利です。
図7 blazeds-console実行画面(画像をクリックすると拡大します) |
パフォーマンスの調査や、チャンネルが利用できているのかどうかなどのデバッグ作業もしやすくなると思います。
BlazeDSやLCDSは今後、どうなる?
■ ほかのサンプルも理解しやすい
今回確認した3つのサンプルアプリケーションだけではなく、ほかの「30 Minute Test Drive」内のサンプルアプリケーションについても、動作とソースを確認してみてください。非常に簡潔にできていますので、BlazeDSの機能を確認するのには最適だと思います。
また、「Other Samples」のアプリケーションには、より凝ったアプリケーションや、メッセージングで使用するチャンネルをプログラム内から設定するようなアプリケーションもありますので併せて確認してみてください。
■ LCDSへの移行も容易
LCDSはBlazeDSとほぼ同じ開発コードを用いるということですので、DMS(Data Management Service)などのBlazeDSにはない機能やRTMPの使用など、さらなる拡張性を求める場合には、支障なくLCDSへ移行できるはずです。
さらに、PDF生成やPDFソリューションとの統合が必要になる場合には徐々に上位版に移行して拡張していくということも可能になります。
■ コミュニティもできて、Java以外もサポートするらしい
また、今後の戦略としてコミュニティを立ち上げて参加者を募り、BlazeDSおよびLCDSの開発を進めるほか、ほかの団体と協力しJava以外のプラットフォームでもBlazeDSを利用できるようにする計画もあるようですので、BlazeDSの今後が非常に楽しみです。
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プロフィール:友田 翼(ともだ つばさ) クラスメソッド株式会社 エンタープライズサービス部門アーキテクト Adobe Certified Professional Flex 2.0 Developer認定技術者 Flashエンジニアとして主にUI開発フレームワークの設計および開発、Web制作などを経て、クラスメソッド株式会社に入社。 入社後はFlexやAIRによるRIAの開発やプロジェクト・マネジメントを行っている。 |
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