Insider's Eye速報:Windows 2000 Service Pack 2 日本語版3.SP2のデバイス・サポート |
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元麻布春男 2001/06/02 |
デバイス・サポートの強化はあるが、SPでのサポート・デバイスの追加はない
最後は、SP2のハードウェア・サポートに注目しよう。SP2を始めとして、基本的にService Packでは、新しいハードウェアのサポートは行われない。つまり、例外的なものを除き、初期のWindows 2000でサポートされていなかったデバイスのサポートが、Service Packにより追加されることはない。言い換えれば、INFファイルに新しいデバイスが追加されることはない、ということだ。新しいデバイスのサポートは、Windows XPで更新されることになる。
例えば、Windows 2000でサポートされていなかった新しいチップセットのサポートがService Packで加わることはない。Windows 2000、あるいはWindows 2000 Service Pack 1と同様、各マザーボード・ベンダ、あるいはチップセット・ベンダが提供するINF Update Utility(INF Patch)を用いない限り、チップセットが正しく認識されることはない。
Service Packで行われるのは、原則的にWindows 2000でサポートされていたデバイスに対するサポートの強化、あるいは不具合の修正である。上記のリストをザッと見ただけでも、RCC(現Broadcomの一部門「Server Works」)製チップセット用AGPドライバのアップデート(サポート技術情報JP258079)、VIA Technologies製チップセットでAGP機能を使用したアプリケーションを実行した際に生じる不具合の改善(サポート技術情報JP261606)、VIA Technologies製 IEEE 1394 PCIホストコントローラ使用時の接続性の改善(サポート技術情報JP272155)など、Windows 2000でサポートされていたハードウェアに対するサポートの改善が含まれている。
また、こうしたデバイス・レベルの不具合だけでなく、東芝、日本IBM、デルコンピュータ、コンパックなどのノートPCに関する不具合の修正も含まれているので、とりあえず自分が該当機種を利用していないか、確認した方がよい。なお、不具合を修正したリストに自分が持っている製品が掲載されているからといって、気に病む必要はない。リストに載っているということは、少なくともマイクロソフトがサポートしている証であり、不具合を認識してもらえないよりも、はるかにマシだからだ。
Ultra ATA/100対応ドライバを提供
以上のような個別のハードウェアに対応した修正に加え、SP2には、いくつか汎用的な問題の修正も含まれている。それらの中でも、最も影響が大きいと思われるのは、Ultra ATA/100(Ultra DMA Mode 5)の正式サポートだろう。SP1までのWindows 2000には、ATAのサポートについて2つの問題があった。1つは、サポートしていたATAの転送レートが最大66Mbytes/secのUltra ATA/66(Ultra DMA Mode 4)までであったということ(サポート技術情報JP260233)、そしてもう1つが、Ultra ATA/100デバイスについて、実際にはUltra DMA Mode 4で動作しているにもかかわらず、デバイス・マネージャ上の表示がPIOモードになるという問題である(後者の文書番号はJP269555だが、和訳が明らかに間違っているので、英語の原文Q269555を参照していただきたい)。
まずJP260233の問題だが、これはSP2に含まれるドライバがUltra ATA/100に対応したことで解消された。基本的には新しいハードウェアのサポートを行わないService Packだが、既存のドライバの修正であるためか、Ultra ATA/100(Ultra DMA Mode 5)への対応が追加されている。これに伴い、Q269555の表示の問題も解消されている。Windows標準のATAドライバに不具合があっても、チップセット・ベンダ、あるいはATAコントローラ・ベンダが提供するサードパーティ製ドライバを用いることで、これまでもこの問題を回避することは可能だった。しかし、サードパーティ製ドライバにはCD-R/RWライタ・ソフトウェアと相性の悪いものも存在するため、標準ドライバが対応するに越したことはないだろう。
WDMオーディオ・ドライバでの非PCMサウンドの再生
もう1つ汎用の修正として挙げておきたいのは、WDMオーディオ・ドライバで非PCMフォーマットのサウンドを再生できない、という問題の解消だ(サポート技術情報JP289226)。こう聞いただけでは何のことだか分からないだろうが、ここで言う非PCMフォーマットのサウンドとは、ドルビー・デジタルやDTS(Digital Theater System)などでエンコードされたオーディオを指す。ソフトウェアDVDプレイヤの多くは、デコードしたオーディオ・データをWindows互換のステレオ・サウンドにダウンミックス(5.1チャネル・サラウンドを2チャンネル・ステレオに変換すること)したり、5.1チャネルのサウンドを、2つのステレオ・サウンドと1チャンネルのモノラル・サウンドとして取り扱ったりすることにより、この問題を回避してきた。
しかし、例えばS/PDIF端子などを用いて、外部のデコーダ(AVアンプなど)にデジタルのままデータを渡そうとすると、どうしてもサウンドをマルチ・チャネルのストリームのまま扱わなければならない。だが、WDMのコンポーネントの1つであるカーネル・ミキサーが非PCMフォーマットに対応していなかったため、このストリームを扱うことができなかった。SP2では、カーネル・ミキサーが非PCMフォーマットに対応していないのは変わらないが、カーネル・ミキサーをバイパスさせる標準的な方法が提供されることになった。これまで、一部のハードウェアにバンドルされる形で、特定のハードウェアを前提に、カーネル・ミキサーをバイパスさせるソフトウェアDVDプレイヤが存在したが、今後は汎用のソフトウェアDVDプレイヤであっても、S/PDIF経由でマルチ・チャネルのオーディオを出力することが可能になるだろう。なお、同様のカーネル・ミキサーのバイパス機能はWindows XPにも採用されている。
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