[運用]
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■Norton UACをインストールして、UACの動作を変更する
Windows Vistaから、セキュリティ対策の一環としてUACが導入されている。ウイルスなどのプログラムが、ユーザーのあずかり知らぬところで、勝手にシステムの動作に影響する機能を起動させないようにするのが狙いだ。メニュー・アイテムやボタンなどに「四色の盾」のアイコンが表示されている場合、それを実行するとUACが作動する。
セキュリティ上は、こうした機能の重要性は高いといえる。しかしWindows Vistaでは、設定の変更などでもUACの警告ダイアログが頻繁に表示されるため、煩わしく感じるユーザーも多いようだ。[コントロール パネル]−[ユーザー アカウント]で[ユーザー アカウントの変更]を選択すると、UACの有効/無効を切り替えることができるが、完全に無効化してしまうと、セキュリティ上のリスクが増すことになる。
- Windowsのユーザー・アカウント制御(UAC)を一時的に無効にする(Windows TIPS)
この問題を解決する方法の1つが、SymantecのNorton Labsが開発した「Norton UAC」を使用する方法だ。これをインストールすると、最初の1回はUACの警告ダイアログが表示されるが、いったん承認した動作については次回からは自動承認されるようになる。また、警告を発する理由を明示する機能も持っている。自動承認した機能については、それ以後はWindows XPと同様の感覚で利用できるので、これまでのようにUACによって操作が中断させられてイライラする場面を減らすことができる。
Norton UAC Toolの警告ダイアログの画面 | ||||||
デバイス・マネージャを起動する際に表示されたNorton UAC Toolによる警告ダイアログ。この操作を許可する場合、[Allow]ボタンをクリックする。次回、デバイス・マネージャを起動した際にUACの警告ダイアログを表示させないようにするには、[Don't ask me again]にチェックを入れる。 | ||||||
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■自動フォルダ・タイプ設定を無効にする
Windows VistaのWindowsエクスプローラには、フォルダに含まれるファイルの種類によって表示する項目(詳細表示の際に表示されるファイルの種類やサイズなど)を自動的に選択する「自動フォルダ・タイプ設定(Automatic Folder Type Discovery)」と呼ばれる機能が実装されている。含まれるファイルの種類によって、フォルダのプロパティの[カスタマイズ]タブの「フォルダの種類」で設定可能なテンプレートが自動的に適用されるというものだ。
ところが、フォルダ内に異なる種類のファイルが含まれているような場合、正しく機能せず、フォルダ内のファイルの種類にそぐわない項目を選択してしまうことがある。また、ユーザー自身がフォルダの表示項目をカスタマイズしても、何かのきっかけで自動フォルダ・タイプ設定が機能してしまい、表示項目がカスタマイズ前に戻されてしまうという不具合も存在する。
自動フォルダ・タイプ設定は、残念ながらコントロール・パネルやWindowsエクスプローラのオプションで変更できず、レジストリの編集が必要だ。設定方法は、以下の記事を参考にしてほしい。ただし、レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあるので、十分に注意してほしい。
- Windows Vistaのエクスプローラにおける自動フォルダ・タイプ設定を無効にする(Windows TIPS)
■電源管理の設定を変更して休止状態を有効にする
Windows Vistaが「重い」と感じられる一因として、起動に時間がかかる点が挙げられる。しかし、これは休止状態を利用することで解決できる。休止状態では動作中のメモリ状態をそのままハードディスク上のファイルに書き出して電源を切るため、それを読み出すだけで元の状態に復帰できる。たいていの場合、Windowsを新規に起動し直すよりも、休止状態から復帰する方が早いし、アプリケーションの起動状態などが保存されるため、前日の作業を継続しやすいというメリットもある。
ところが、Windows VistaではWindows XPとは仕様が変わったため、[コントロール パネル]の[電源オプション]で休止状態の有効/無効を切り替えることができない。これは、Windows Vistaがハイブリッド・スリープを導入しており、既定値ではそれが有効になっていることと関係がある。
ハイブリッド・スリープは、通常はスタンバイ状態にしておき、バッテリ残量が減ってきた場合には休止状態に移行するという機能だ。しかし、これは基本的にはスタンバイの拡張であり、意識的に電源をオフの状態にしたい場合には使えない。
ハイブリッド・スリープを無効にして休止状態を使用するには、以下の手順を使用する。
- [コントロール パネル]の[システムとメンテナンス]−[電源オプション]をクリックする。
- 選択中の省電力プランについて、その下に表示されている[プラン設定の変更]をクリックする。
- [プラン設定の編集]ウィンドウで、[詳細な電源設定の変更]をクリックする。
- [電源オプション]ダイアログで、[スリープ]−[ハイブリッド スリープを許可する]のツリーを展開して、[バッテリ駆動]と[電源に接続]のそれぞれを[オフ]に変更する。
- 順番に[OK]ボタンをクリックしてダイアログを閉じる。
また、休止状態については以下の注意事項がある。
- コンピュータ本体のメモリ搭載量によっては、休止状態が無効になる場合がある。
- ディスク・クリーンアップを実行する際に[休止状態ファイル クリーナ]のチェックが入っていると休止状態ファイルが削除されてしまい、休止状態が利用できなくなる。
このような場合、powercfgコマンドを使用すれば、休止状態を再び有効にできる。その方法は、以下の記事を参照していただきたい。
- Windows Vistaの[休止状態]オプションを有効にする(Windows TIPS)
■Windows XPとのフォント環境統一
Windows Vistaの日本語フォントは新JIS漢字(JIS X 0213:2004。以下JIS2004と表記)に変更されており、Windows XPとは異なる。そのため、一部の文字については、JIS 90を使用しているWindows XPとは異なる字形となる場合がある。今後、JIS2004に統一するのであれば、Windows XP側に以下のWebページを参考に新JIS漢字をインストールすればよい。
しかし、すでに既存のJIS 90を前提にデータベースなどを構築している場合は、安全のためWindows Vista側の日本語フォントをJIS 90に統一した方がよい。Windows VistaにJIS 90の日本語フォントをインストールするには、以下のWebページを参考にするとよい。
これらは性能面のチューニングではない。また一般的な用途なら、これら新旧フォントセットの違いが深刻な問題になることは少ないかもしれない。しかし人名や住所などを扱うアプリケーションを利用している場合は、クライアントのフォントセットの違いが問題になるケースもある。
INDEX | ||
[運用]Windows Vistaチューニング術 11のポイント | ||
Windows XPユーザーのためのWindows Vista設定術 | ||
1.Windows Vistaチューニングの必要性 | ||
2.UIを使いやすく変更する(1) | ||
3.UIを使いやすく変更する(2) | ||
4.不要な機能を止めて性能を向上させる(1) | ||
5.不要な機能を止めて性能を向上させる(2) | ||
運用 |
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