Windows TIPS
[System Environment] |
bcdeditコマンドでブート・シーケンスを一時的に変更する
→ 解説をスキップして操作方法を読む
デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2010/07/09 |
対象OS |
Windows Vista |
Windows Server 2008 |
Windows 7 |
Windows Server 2008 R2 |
|
|
 |
■ |
マルチブート環境において、指定のOSを一度だけ起動するように変更して、その後は既定のブート・シーケンスに戻したいことがある。 |
■ |
bcdeditコマンドに/bootsequenceオプションを付けて実行することで、再起動後に一度だけ指定したOSを起動するように変更できる。 |
|
|
システムに複数のOSがインストールされているマルチブート環境において、再起動時に特定のOSを一度だけ起動するように変更して、その後は既定のブート・シーケンスに戻したいことがある。例えば、普段あまり利用しないOSに対して、セキュリティ・パッチを適用するような場合だ。
このような場合、bcdeditコマンドに/bootsequenceオプションを付けて実行することで、再起動後、一度だけ指定したOSを起動するように変更できる。その後、再起動すれば既定のブート・シーケンスに戻るため、ブート・シーケンスを再度修正する必要はない。本稿では、この一時的にブート・シーケンスを変更する方法を紹介する。
 |
Windowsブート・マネージャの画面 |
この画面が表示されてから30秒(デフォルト)経過すると、選択されているOSが起動する。この画面を表示しないように設定している場合、起動するOSを切り替えるには、やはりbcdeditコマンドによるブート・マネージャの編集が必要になる。 |
|
 |
デフォルトでこちらのOSが起動する。 |
|
 |
デフォルト以外のOSの起動する場合は、[↓][↑]キーで目的のOSを選択して[Enter]キーを押す必要がある。 |
|
bcdeditコマンドを実行するため、コマンド・プロンプトを起動する。ただしbcdeditコマンドは、管理者として実行したコマンド・プロンプトでなければ実行できない。そこで、[スタート]の[すべてのプログラム]-[アクセサリ]の[コマンド プロンプト]を右クリックして[管理者として実行]を選択してコマンド・プロンプトを起動する。
ここで、まず引数を付けずにbcdeditを実行し、現在のBCDストアの情報を確認する。
Windows ブート マネージャー
--------------------------------
identifier {bootmgr}
device partition=\Device\HarddiskVolume1
description Windows Boot Manager
locale ja-JP
inherit {globalsettings}
default {current}
resumeobject {7c2b44f3-3926-11de-99f4-bf6acdd7f858}
displayorder {current}
{7c2b44fc-3926-11de-99f4-bf6acdd7f858}
toolsdisplayorder {memdiag}
timeout 30
displaybootmenu Yes
Windows ブート ローダー
--------------------------------
identifier {current} ……現在の起動OS
device partition=C:
path \Windows\system32\winload.exe
description Windows 7
locale ja-JP
osdevice partition=C:
systemroot \Windows
resumeobject {fa8e4917-8a91-11df-b9f3-806e6f6e6963}
Windows ブート ローダー
--------------------------------
identifier {7c2b44fc-3926-11de-99f4-bf6acdd7f858} ……これを一時起動に設定してみる
device locate=\Windows\system32\winload.exe
path \Windows\system32\winload.exe
description Windows 7 - VHD
locale ja-JP
osdevice locate=\Windows
systemroot \Windows
resumeobject {bc540f53-8a70-11df-8855-806e6f6e6963}
detecthal Yes |
|
bcdeditコマンドの実行例 |
ここで一時的に起動したいOSの「identifier」の値をコピーしておく。「{current}」は、現在の既定の起動OSなので、それ以外のOSということになる。この例では、2番目のエントリの「identifier」の値「{7c2b44fc-3926-11de-99f4-bf6acdd7f858}」をコピーする。
次に、コマンド・プロンプトで以下のコマンドを実行する。<identifier>には、コピーした「identifier」の値(この例では{7c2b44fc-3926-11de-99f4-bf6acdd7f858})を入れる。
bcdedit /bootsequence <identifier>
これで再起動後、自動的に<identifier>で指定したOSが一度だけ起動することになる。その後、再起動すれば、今度は以前と同様、{current}で指定されているOSが起動することになる。
再起動時に表示されるブート・マネージャで選択する必要がないため、誤って目的とは異なるOSを起動させてしまうことも防げる。一時的に起動OSを変更したい場合は、この方法を試してみるとよい。
Windows Server Insider フォーラム 新着記事
Windows Server Insider 記事ランキング
本日
月間