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キー入力なしでWindows PEをCD/DVDからブートする

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2010/08/06
対象OS
Windows PE 2.0
Windows PE 2.1
Windows PE 3.0
Windows PEはCD/DVDから起動できるミニWindows OSである。
CD/DVDからWindows PEを起動する際、何かキーを押さないとWindows PEの起動がキャンセルされ、ハードディスクからOSが起動してしまう。
Windows PEのISOイメージ作成時にbootfix.binというファイルを取り除けば、キーを押さなくてもWindows PEを起動できるようになる。

解説

改訂 管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールWindows PE 3.0(前編)
管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールを自作する(Windows PE 2.0)

 Windows PEは、PCのハードディスクにインストールすることなく、起動イメージを書き込んだCD/DVDやUSBメモリから起動できるミニWindows OSである。PCのハードディスクの状態に関係なく起動できるので、トラブルでOSが起動できないPCからファイルをサルベージしたり、ハードディスクをバックアップからリカバリしたりするのによく利用される。Windows PEの詳細は関連記事を参照していただきたい。

 そのWindows PEをCD/DVDから起動する際、画面に「Press any key to boot from CD or DVD...」というキー入力を促すメッセージが表示されることがある。ハードディスクに起動可能なOSのパーティションがあると、CD/DVD(Windows PE)とハードディスクのどちらから起動するのか、ユーザーに確認するためにこのメッセージが表示されるようだ。このメッセージの表示中に何かキーを押すとWindows PEが起動する。キーを押さないと数秒でメッセージは消えてWindows PEの起動がキャンセルされ、ハードディスク内のOSから起動が始まる。

Windows PE起動時に表示されるキー入力を促すメッセージ
ハードディスクからOSを起動できるPCで、Windows PEをCD/DVDから起動すると、最初にこのメッセージが表示される。これが表示されている数秒間のうちに何らかのキーを押さないとWindows PEの起動はキャンセルされ、ハードディスク内のOSが起動してしまう。ちなみにUSBメモリからWindows PEを起動する際には、このメッセージは表示されない。

 そのため、キーを押し損なってハードディスクからOSが起動してしまったら、そのOSをシャットダウンした後に再度CD/DVDからWindows PEを起動し直さなければならない。

 こうした挙動は、Windows PEのCD/DVDをドライブに入れっぱなしにしたまま忘れても、再起動後は通常どおりHDDからOSが起動される、という点では有用だろう。しかし、本当にWindows PEによる作業を望んでいるとき、いちいちキーを押さないと起動に失敗するのはひどく面倒だ。

 このキー入力を省くには、Windows PEのISOイメージ・ファイルを作成する際、bootfix.binというファイルを取り除けばよい。

  操作方法

 Windows PE起動時に表示される「Press any key to boot from CD or DVD...」というメッセージを止めるには、Windows PEのISOイメージ・ファイルからbootfix.binというファイルを取り除く。詳細は不明だが、bootfix.binはこのメッセージを表示するファイルとのことで、削除してもWindows PEは起動できる。

 さて、Windows PEの起動CD/DVDを作成するおおざっぱな手順は次のとおりである(手順の詳細は「改訂 管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールWindows PE 3.0(前編)」「管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールを自作する(Windows PE 2.0)」参照)。

  1. copypeコマンドでWindows PEの作業フォルダを用意する
  2. WIMイメージ・ファイル(boot.wim)を加工する
  3. CD/DVDに書き込むファイルをISOフォルダ以下に保存する
  4. oscdimgコマンドでISOイメージ・ファイルを作成する
  5. ISOイメージ・ファイルをCD/DVDに書き込む

 bootfix.binは3の時点で取り除く。パスは、<作業フォルダ> \ISO\boot\bootfix.binである。後で元に戻せるように、<作業フォルダ>\backupといったサブ・フォルダを作成し、そこにbootfix.binを移動するのがよいだろう。

<作業フォルダ>\ISO\bootフォルダからbootfix.binを取り除く
ISOイメージ・ファイルを作る前に、<作業フォルダ>\ISO\bootフォルダにあるbootfix.binを別のフォルダに移動する。
Windows PEの作業フォルダ。
このファイルをのフォルダに移動する。
あとでのファイルを元に戻せるよう、このようなバックアップ用フォルダを作成して、そこに移動する。ISOイメージ・ファイルに収録されないよう、ISOフォルダ以下には作成しないこと。

 なお、bootfix.binはWIMイメージ・ファイル(boot.wim)には格納されないため、WIMイメージの作成手順は従来と変わらない。

 bootfix.binを取り除いたら、従来と同じくoscdimgコマンドでISOイメージ・ファイルを作成し、CD/DVDに書き込む。これでWindows PEを起動すると、ハードディスクから起動可能なPCでも、キー入力なしでCD/DVDからWindows PEが起動するはずだ。End of Article

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