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Outlook 2002の「迷惑メール」機能に注意
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解説 |
通信コストが安価であることを利用して、電子メールを使って一方的にメッセージを送りつけ、商品販売やサービス勧誘などを行う、いわゆる「迷惑メール」の被害が増えている(「スパム・メール」と呼ばれることもある)。迷惑メールの大量発信があとを絶たないことから、最近では悪質な業者を摘発したり、それが広告メールであることを件名に表記することを義務付けたりしている(これにより、件名で広告メールを排除するなどが可能になる)。しかし残念ながら、これらに目に見えるような効果は得られていないのが現状だ。
これに対しメールソフトウェアの中には、迷惑メール対策を他人まかせではなく、自分自身で提供するものも登場した。Office XPスイートの1つであるOutlook 2002にも、この迷惑メール対策機能(および成人向けメール対策機能)が追加された。
画面はOutlook 2002で受信トレイを表示し、[ツール]メニューの[整理]を実行して、表示される[整理]ペインの左側にある[迷惑メール]タブをクリックしたところである。画面から分かるとおり、迷惑メールや成人向けメールについては、自動的に別フォルダに移動させたり、通常のメールとは色分けして表示したりできるようになっている。
迷惑メール(または成人向けメール)の判別には2つの方法がある。1つは、「迷惑メール送信者一覧」(つまりブラックリスト)に追加されている送信者からのメール。ユーザーは迷惑メールを受け取ったら、その送信者をこの一覧に追加すれば、以後この送信者からのメールは迷惑メールとして識別される(同様にして、成人向けメール送信者用のブラックリストも作成できる)。迷惑メールの識別法としては確実な方法ではあるが、いかんせん、迷惑メールの送信者は、メール・アドレスを次々に変えながら送信してくるのが一般的なので、効果はあまり期待できそうにない。
もう1つの判別方法は、メール・ヘッダやメール本文に含まれる文字列などから、迷惑メールかどうかを識別するという方法である。これなら、アドレスを次々に変えられても、迷惑メールを識別できる。何と便利な機能だろう! そこでさっそく筆者は、この迷惑メール機能を有効にして(デフォルトでは無効になっている)、迷惑メールは「迷惑メール」という名前の別フォルダに自動的に仕訳けされるように設定した。これなら迷惑メールを受信しても、「受信トレイ」ではなく「迷惑メール」フォルダに自動仕訳されるので、うっとうしい迷惑メールを目にしなくても済む。
署名部分の「///////////////」に注意せよ
迷惑メールなど読む必要もないので、前述のように迷惑メールは自動仕訳されるように設定したまま、「迷惑メール」フォルダのことなどすっかり忘れていた。こうしてしばらくたったある日、同僚から「メールの返事がない」としかられた。しかしどう考えても、そんなメールは受け取った覚えがない。もしやと思って「迷惑メール」フォルダを調べてみると、その同僚からのメールがごっそりと仕訳されているではないか。これはどういうことか? メールの内容を見ても、それが迷惑メールだと勘違いされるような文言は見当たらない。何より、同じ同僚ばかりが間違って仕訳されているのはおかしな話だ。もちろんこの同僚を「迷惑メール送信者一覧」になど登録していない。
そもそも、Outlook 2002は、どうやって迷惑メールを識別しているのか。これを調べてあぜんとしてしまった。
この詳細については、Officeアシスタント・センターに情報がある(当該記事)。この記事によれば、迷惑メールの識別条件については、Outlook 2002(Office XP)をインストールしたフォルダ以下にある次のファイルに説明が記述されている(ここでは、デフォルトのC:\Program FilesにOfficeをインストールしたものとする)。
C:\Program Files\Microsoft Office\Office10\1041\Filters.txt
1041というのは日本語のロケールIDである。このドキュメントから、迷惑メール識別の条件をまとめると次のようになる。
■[差出人]が空白の場合
■[差出人]に次の文字列が含まれる場合
「@public」「mail@」「success.」
「@savvy」「profits@」「success@」
「hello@」「sales@」
■[あて先]に次の文字列が含まれる場合
「friend@」「public@」「success@」
■[件名]に次の文字列が含まれる場合
「!」かつ「$」
「!」かつ「free」
「$$」
「advertisement」
「 mlm」
「$$$」
「,000」かつ「!!」かつ「$」
「///////////////」
「100% satisfied」
「@mlm」
「Guarantee」かつ(「satisfaction」または「absolute」)
「SPECIAL PROMOTION」
「cards accepted」
「check or money order」
「extra income」
「for free!」
「for free?」
「money back 」
「money-back guarantee」
「more info 」かつ「visit 」かつ「$」
「one-time mail」
「order now!」
「order today」
「removal instructions」
まず最初に、識別条件はまったく日本語化されていないことが分かるだろう。「advartisement」は識別条件であっても「広告」は条件にはなっていない。英語で記述された海外からの迷惑メールならこれで識別可能かもしれないが、日本語で書かれた迷惑メールは、これではまったく識別されない(今回は「成人向けメール」の識別条件は記載しなかったが、日本語化されていないという点では同じようなものである。詳細はご自分でFilters.txtを確認されたい)。
そして問題は、「///////////////」を本文の一部に含むメールを迷惑メールとして識別するようになっていることだ。賢明な読者はもうお察しのとおり、くだんの同僚は、「///////////////」を署名(メールの最後に自身の名前や連絡先などを記した文字列)と本文の区切り記号として使っていたのである。これでは迷惑メールに分類されるはずだ。
どうして「///////////////」が識別条件に入るのか、どう考えても筆者には分からなかった(ご存じの方、お知らせください)。この同僚ばかりではなく、「///////////////」を署名の一部に使っているユーザーはほかにもいそうだ。
残念ながら、前述したFilters.txtは迷惑メールや成人向けメールの識別条件をメモしたドキュメントでしかなく、このファイルを編集しても、識別処理には何の影響もない(つまり「///////////////」の条項を削除しても、同僚のメールは迷惑メールとして識別されてしまう)。
従って対処法としては、「迷惑メール」フォルダに通常のメールが間違って仕訳けされていないか定期的にチェックするようにするか、自動仕訳は使わず色分け程度にとどめておくしかない。
いずれにせよ、迷惑メール機能を使って自動仕訳を行っているユーザーは、今すぐ「迷惑メール」フォルダの内容を開いて、大事なメールが間違って仕訳されていないかどうか、確認した方がよいだろう。
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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