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シャドウ・コピーで過去のバージョンのファイルを取り出す(クライアント編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/04/23
 
対象OS
Windows 2000
Windows XP
Windows Server 2003
Windows Server 2003の共有フォルダのシャドウ・コピー機能を利用すると、削除されたファイルを復活させたり、過去のバージョンを取り出したりできる。
クライアント側にはシャドウ・コピー用のクライアント・ソフトウェアを導入する。
共有フォルダのシャドウ・コピーへは、ファイル共有プロトコルを使ってアクセスする。
過去のバージョンを取り出すには、ファイルのプロパティを表示させ、アクセスする。
 
解説

 TIPS「シャドウ・コピーでファイルを自動バックアップする(サーバ編)」では、Windows Server 2003の持つ「共有フォルダのシャドウ・コピー」機能の概要と、サーバ側での設定方法について解説した。この機能を利用すると、削除されたファイルをユーザー自身が復活させたり、スナップショットとして保存されている過去のバージョンを取り出したりすることができる。

 本TIPSでは、この機能を利用して、過去のバージョンのファイル(もしくはフォルダ)を取り出す方法について解説する。

 共有フォルダのシャドウ・コピー機能を利用して過去のバージョンのファイルを取り出すには、クライアント側にも、この機能に対応したモジュールが必要である。クライアントがWindows Server 2003の場合はあらかじめ組み込まれているので不要であるが、それ以外のOSの場合はマイクロソフトのサイトからプログラムをダウンロードし、管理者権限で実行して組み込んでおく必要がある。現在は、Windows 2000(SP3以降が必要)とWindows XP用のシャドウ・コピー・クライアント・プログラムが用意されている。

 Windows XPの場合は、Windows Server 2003の\Windows\system32\clients\twclient\x86フォルダにあるtwcli32.msiをインストールしてもよい。なおクライアントがWindows 2000の場合は、サーバであるWindows Server 2003側にもこのソフトウェアをインストールしておく。

 SP3以前のWindows 2000やWindows NT、Windows 9x/Meの場合はこのクライアント・プログラムは利用できないので、Windows Server 2003に直接ログオンするか、Windows XPなどを利用して作業を行う。


操作方法

手順1―共有フォルダ経由でファイルのプロパティを表示させる

 サーバ上に存在するファイルの過去のバージョンを取り出すには、エクスプローラで目的のファイルを探し、右クリックしてポップアップ・メニューから[プロパティ]を選択する。この場合に重要なことは、TIPS「シャドウ・コピーで削除したファイルを復活させる(クライアント編)」と同様に、共有フォルダ経由で(SMBプロトコル経由で)目的のファイルへアクセスすることである。サーバのコンソールで(もしくはリモート・デスクトップで)ログオンしている場合でも、「\\localhost\user」や「\\127.0.0.1\user」「\\10.1.2.3\user」というふうに、必ずUNC形式でアクセスする。目的のフォルダが共有フォルダとして公開されていなければ、暗黙のうちに公開されている共有フォルダ名(C$とかD$など)を使って、「\\localhost\c$」といったリソースへ接続してもよい。

目的のファイルの[プロパティ]メニューを表示させる
過去のバージョンを取り出すには、Windows Server 2003に対してファイル共有(SMBプロトコル)でアクセスし、ファイルのプロパティを表示させる。
  たとえWindows Server 2003のローカル・ドライブであっても、このようにファイル共有で(SMBプロトコルで)アクセスする。
  目的のファイルを選択して右クリックし、ポップアップ・メニューを表示させる。
  [プロパティ]を選択する。

 [プロパティ]ダイアログにある[以前のバージョン]というタブを選択する。すると、シャドウ・コピーが保存されているバージョンの一覧が表示される。

過去のバージョンの一覧
指定されたファイル(やフォルダ)の保存されたシャドウ・コピー・セットの一覧。この中から特定のバージョンのものだけを取り出すことができる。
  このタブを選択する。
  保存されているシャドウ・コピー・セットの一覧。取り出したいバージョンのものを選択する。
  これをクリックするか、特定のセットの行をダブルクリックすると、指定されたファイルがオープンされる。
  これをクリックすると、指定されたファイルを別の場所へコピーすることができる。
  これをクリックすると、現在のファイルが、で指定した時点の内容に置き換わる(復元される)。

 ここには、保存されているファイルに対して、その過去のバージョンの一覧(シャドウ・コピーが保存された時点の一覧)が表示されている。一覧が何も表示されていなければ、現在のファイルの内容は、一番古いシャドウ・コピー・セットの時点からずっと変更されていない(一度も書き換えられていない)ということを表している。

 目的とするバージョンのファイルが見つかれば、表示(オープン)したり、コピーしたり、「復元」したりすることができる。復元とは、現在のファイルの内容を破棄して、指定された時点のバージョンの内容に戻すことである。これを実行しても、以前のバージョンの履歴はそのまま残るが、現在のファイルの内容(つまり最新バージョンの内容)は、スナップショットを取っていない限り失われてしまうので、注意していただきたい。[復元]ボタンをクリックすると、実行するかどうかを問い合わせるダイアログが表示され、[はい]を選択すると実際に復元作業が実行される。End of Article

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  TIPS:シャドウ・コピーでファイルを自動バックアップする(サーバ編)(Windows Server Insider)
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