Windows TIPS
[System Environment]
  Windows TIPS TOPへ
Windows TIPS全リストへ
内容別分類一覧へ

スパイウェアの有無を無料サービスで診断する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 中塚 寛幸
2005/12/03
サーバやテスト用マシンなど、スパイウェア対策製品をインストールできない環境でスパイウェアの感染を調査したい場合がある。
だが製品ごとに検索・駆除できるスパイウェアが異なるので、複数のソフトウェアで調査したい。
スパイウェアの駆除はできないが、オンラインでスパイウェアを検索できるサービスがある。
 
解説

 スパイウェアとは、アドウェアハイジャッカーといった、ユーザーの情報をユーザーの想定外の用途に使用したり、ユーザーの環境を勝手に改変したりするソフトウェアの総称で、セキュリティの観点から問題となっている。

 ウイルス対策ソフトウェアにもスパイウェア検索/駆除機能を搭載するものが少なくないが、どのような挙動をスパイウェアとして認定するかは一般化されておらず、各対策ソフトウェアのポリシーごとに異なっているのが現状である。スパイウェアの検索に完全を期するならば、1種類のエンジンではなく、複数のエンジンで行う必要がある。だが、特にリアルタイムでスキャンを行うような複数のスパイウェア対策ソフトウェアを1台のコンピュータにインストールすると、それぞれのソフトウェアのコンポーネントが機能の衝突を起こす危険性がある(インストールに失敗する場合もある)。最悪の場合、Windows OSが起動しなくなり、OSを再インストールする必要も出てきてしまう。このようなリスクを回避するため、通常利用するセキュリティ対策製品とは別に、インストール不要なエンジンで検索したいところだ。

 またサーバやテスト用マシン、納入前のマシンなど、スパイウェア対策製品をインストールできないがチェックはしておきたい、という要求もあるだろう。

 このようなニーズに対応するオンラインのスパイウェア・スキャン・サービスとしては、次のようなものがある。

 これは、eTrustが販売するPestPatrolのエンジン(ActiveX)を利用したスパイウェア(PestPatrolでは「ペスト」と呼んでいる)の検索サービスである。あくまでもPestPatrolの機能評価を目的としたサイトだが、このサービスを利用して危険なスパイウェアを検索することが可能だ。ただし、スパイウェアの検索機能しか持たないため、リアルタイムでのスパイウェア侵入の監視や削除を行うことはできない。スパイウェアが検知された場合には、詳細情報を同社のWebサイトで確認し、手動あるいは製品版で駆除する必要がある。

  操作方法

 PestPatrolの提供するサービスを利用するには、次のページへアクセスする。

 [Scan Now]をクリックすると、Webページからエンジン(ActiveX)がダウンロード/インストールされ、ローカル・マシン内のスパイウェアが検索される。

PestPatrolのスパイウェア検索サービス
PestPatrolの[Pre-Scan]サイトにジャンプすると、オンラインでスキャンするサービスが利用できる。
  [Scan Now]をクリックして次に進む。

 [Scan Now]をクリックすると、ActiveXコントロールがダウンロード/インストールされる。Windows XP SP2/Windows Server 2003 SP1では、ActiveXの実行を警告する情報バーが表示されるので、明示的に許可して、インストールを行う。

情報バーでActiveXコントロールのインストールを許可する
Windows XP SP2/Windows Server 2003 SP1やInternet Explorer 6.0 SP2などでは情報バーが出るので、ActiveXコントロールを明示的にインストールする。
  情報バーをクリックし、ポップアップ・メニューで[ActiveXコントロールのインストール]を実行する。

 また、プログラムのインストール時にInternet Explorer(IE)が警告ダイアログを表示することがある。その際には発行元などを確認して、インストールを許可する。

IEのセキュリティ警告
ActiveXコントロールをダウンロードして、インストールする際に表示されることがある。発行元を確認してから、[インストールする]を選択する。

 ActiveXコントロールがインストールできたら、スキャンを開始する。

スキャンを開始する
ActiveXコントロールがインストールされたら、[Scan Now]をクリックしてスパイウェアの検索を開始する。

 スキャンが終了すると、結果が以下のように表示される。

スキャン結果の表示
スパイウェアの検索が完了するとビューが変わり、発見されたスパイウェアが列挙される。
  ここをクリックすると、詳細表示と簡易表示をアイテムごとに切り替えられる。
  [Level]の項目に表示されている危険度の色と、それに対応するサマリ。
  該当するスパイウェアの、より詳細な情報を閲覧する場合には、ここをクリックする。

 発見されたスパイウェアの詳細表示にある[More Info]をクリックすると、以下のような別ウィンドウが表示される。ここには、スパイウェアの種類/挙動/ベンダ情報/スパイウェアとした理由/スクリーンショットなどの情報が記載されている。詳細情報を読んでも該当する症状に覚えがない場合には、スパイウェアが存在するものの動作していない、あるいはPestPatrolが誤検知している、といった可能性も考えられる。

スパイウェアの詳細な情報
詳細表示にして表示される[More Info]をクリックすると、別ウィンドウが立ち上がる。ここには、スパイウェアの種類/挙動/ベンダ情報/スパイウェアとした理由などと並び、スクリーンショットも掲載されている。スパイウェアによってはこれらの情報が存在しないものもあるが、症状が自分のチェックした環境に該当するか、再度調査する手がかりになるはずだ。

注意点

 このサービスを利用すると、無料でスパイウェアを検出できるが、以下のような注意点がある。より本格的な対策が必要なら、製品版の導入を検討するのがよいだろう。

  • スパイウェアの駆除はできない
  • リアルタイム・スパイウェア・フィルタ機能はない
  • スパイウェアの定義は対策ソフトウェアのポリシー次第なので、詳細情報を注意深く読む必要があるEnd of Article
関連記事(Windows Server Insider)
  Windows TIPS:ウイルス感染の有無を無料サービスで診断する
     
「Windows TIPS」


Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間