Windows TIPS
[System Environment] |
IIS 6.0の構成情報をバックアップする
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IIS 6.0において、構成情報をバックアップ/エクスポートするには、GUIベースのツールのほか、コマンド・プロンプトからiisback.vbsやiscnfg.vbsコマンドを実行してもよい。 |
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iiscnfg.vbsでは、エクスポートするメタベースのパスの指定を「/lm/w3svc/識別子」といった形式で行う。識別子はiisweb.vbsコマンドなどで確認できる。 |
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Windows Server 2003でIIS 6.0の管理を行う場合、GUIベースのツールだけでなく、コマンド・プロンプトを使うこともできる。どのようなコマンドがあるのかについてはTIPS「IIS 6.0をコマンド・プロンプトから管理する」を参照していただきたい。本TIPSでは、管理コマンドの使用例として、IISの構成情報(メタベースやスキーマ)のバックアップやエクスポート方法について解説する。
構成のバックアップと部分エクスポート
IIS 6.0のバックアップ関連のコマンドとしては、次の2つがある。
コマンド名 |
機能 |
iisback.vbs |
IISの構成(メタベース/スキーマ)のバックアップとリストア |
iiscnfg.vbs |
IISの構成(メタベース)部分エクスポートとインポート、ほかのコンピュータへのコピー |
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IIS 6.0の構成情報をバックアップ/エクスポートするコマンド |
iisback.vbsの方は、IIS 6.0のサービス全体の構成情報をバックアップ/リストアするためのもので、iiscnfg.vbsは、一部もしくは全部のWebサイトなど、Webサイトごとの構成情報をエクスポート/インポートするためのものである。
iisback.vbsのバックアップ結果はそのシステムに固有であり、ほかのシステムに移動することはできない。その代わり、構成情報は定期的に自動でバックアップされており(バックアップ・セットの名称は「自動バックアップ」となる)、[復元]ボタンをクリックするだけで簡単に以前の状態に戻すことができる。自動でバックアップに加え、手動で任意の時点で構成をバックアップするためには、このバックアップ機能を利用する。
iiscnfg.vbsは、IIS全体ではなく、特定のWebサイトの構成情報だけを取り出したり(エクスポートする)、元に戻したりする(インポートする)ために利用する。また、取り出した構成情報をほかのコンピュータにインポートすると、同じ構成を再現(レプリケート)できる。
IIS 6.0全体の構成情報のバックアップ
IIS 6.0全体の構成情報をバックアップするには、iisback.vbsコマンドを利用する。このコマンドは、GUIの管理ツールでいうと、サーバ名を右クリックしてポップアップ・メニューから[すべてのタスク]-[構成のバックアップまたは復元]を実行することに相当する。
C:\>iisback /s server1 /backup /b "IIS Backupset" /v 2 …バックアップ
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
Copyright (C) Microsoft Corporation 1996-2001. All rights reserved.
サーバーに接続中...完了。
Backup IIS Backupset version 2 has been CREATED.
C:\>iisback /s server1 /list …バックアップ・セット名の表示
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
Copyright (C) Microsoft Corporation 1996-2001. All rights reserved.
サーバーに接続中...完了。
Backup Name Version # Date/Time
===================================================================
IIS Backupset 2 2007/01/15 15:27:11
SampleBackup 3 2007/01/11 15:04:38
SampleBackup 4 2007/01/11 15:17:33
SampleBackup 5 2007/01/11 15:26:54
SampleBackup 5 2007/01/11 15:26:54
最初のバックアップ - IIS セットアップによって自動生成されます 1 2006/03/05 11:18:02 |
iisback.vbsコマンドで作成されるバックアップ・セットのデフォルト名(上記のBackup Name)は「SampleBackup」である。また、バージョン番号は、自動的にインクリメントされる。
Webサイトの構成情報のエクスポート
特定の1つ、もしくはすべてのWebサイトの構成情報をエクスポートするにはiiscnfg.vbsコマンドを利用する。このコマンドは、GUIの管理ツールでいうと、サーバ名の下にある[Webサイト]を右クリックするか、その下にある作成済みのいずれかのWebサイト名を右クリックして、ポップアップ・メニューから[すべてのタスク]-[攻勢をファイルに保存する]を実行することに相当する。
例えば、システムの構成全体をエクスポートするには、次のように実行する。
C:\>iiscnfg /export /f c:\iis-config.xml /sp / /children /inherited …バックアップ
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
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サーバーに接続中...完了。
Configuration exported from / to file c:\iis-config.xml |
「/export」はエクスポートの指定、「/f <ファイル名>」はエクスポート先の指定である。なおエクスポート先は、IIS 6.0が稼働しているマシンのローカル・パスを表す。iiscnfg.vbsコマンドを起動したローカル・パスではないので注意していただきたい。「/sp /」はエクスポートするパスの開始点の指定であり、この場合の「/(ルート)」は、IIS全体を表している。「/children」は/spで指定した場所から、再帰的にその下全体をバックアップするという指定である。「/inherited」は継承されたプロパティ属性もエクスポートするという意味である。プロパティの詳細については、関連記事の「コマンドライン・ツール」の項を参照していただきたい。
特定のWebサイトの構成情報だけをバックアップするには、「/sp」オプションでその構成のメタベース・キーのパスを指定する。例えば、[Webサイト]の下に「MyWebservice」というサイトがあり、そのサイトの「識別子」の値が「4」ならば、「/sp /lm/w3svc/4」となる。識別子はIISの管理ツールで表示されるし(Webサイト名の右側に表示されている数値)、「iisweb /query」コマンドで確認することもできる。
C:\>iisweb /query …Webサイトと識別子の確認
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
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サーバーに接続中...完了。
Site Name (Metabase Path) Status IP Port Host
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My Company Portal (W3SVC/1) STARTED ALL 80 N/A
Company BBS (preview) (W3SVC/2) STARTED ALL 7280 N/A
Company Doc (W3SVC/246449130) STARTED ALL 6280 N/A
atmarkIT test (W3SVC/3) STARTED ALL 4280 N/A
MyWebservice (W3SVC/4) STARTED ALL 3280 N/A
…(省略)…
C:\>iiscnfg /export /f c:\iis-config-4.xml /sp /lm/w3svc/4 /children /inherited
…/lm/w3svc/4サイトのバックアップ
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サーバーに接続中...完了。
Configuration exported from /lm/w3svc/4 to file c:\iis-config-4.xml. |
iisweb.vbsコマンドの実行結果のうち、「(W3SVC/4)」などと表示されているのがメタベースのパス名である。これを取り出して「/lm/w3svc/4」などと指定する。
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