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Windows 2000 Insider/PC Insider合同特別企画
Windows XPの正体
強化されたコマンドライン・ツール(中編)
1.ディスク/ファイル関連ツール(1)
デジタルアドバンテージ
2001/11/08
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前編では、Windows XPで追加されたコマンドについて表形式でまとめて紹介したが、今回と次回では、それらのうち、主要なコマンドについて実例を示しながら、より詳しくみていくことにする。
ディスク/ファイル関連ツール
ディスクやファイルを操作するためのツールといえば、あまり凝ったGUIは不要なので、コマンドラインのツールが活躍する分野である。ぜひとも使いこなしていただきたい。
■bootcfg.exe――ブート環境の設定
Windows XPのブート情報を設定するファイルであるBOOT.INI(通常はC:\BOOT.INIに置かれている)の内容を編集するコマンドである。[マイコンピュータ]アイコンの右クリックで表示される[システムのプロパティ]-[詳細設定]-[起動と回復]でもほぼ同等のことが行えるが、すべてコマンドラインから操作できるのが特徴である。
また、これは他のユーティリティにも共通するところが多いのだが、“/S サーバ名”もしくは“/S IPアドレス”という指定方法を使うことにより、ローカルのマシンだけではなく、リモートの他のマシンのBOOT.INIファイルを編集することもできる。コマンドを実行するために、管理者権限などが必要な場合には、さらに“/U ユーザー名 /P パスワード”という引数を付けて、特定のユーザー・アカウントでユーティリティを実行することができる。
C:\>bootcfg /query /s server01 ……リモートのWindows 2000のブート設定を調査する
ブート ローダー設定
-------------------
timeout: 10 ……タイムアウト(10秒)
default: multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT ……起動されるOS
ブート エントリ ……エントリの表示(ここでは1つしかない)
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ブート エントリ ID: 1
フレンドリ名: "Microsoft Windows 2000 Server" ……Windows 2000マシン
パス: multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINNT
OS ロード オプション: /fastdetect
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■defrag.exe――ファイル・システムのデフラグ
ファイル・システムをデフラグメントするためのコマンドである。従来のGUI環境で利用できるデフラグ・ツール(各ドライブの[プロパティ]-[ツール]-[最適化])と機能的にはまったく同じであるが(内部的にも同じモジュールが起動されているので、最適化の効果なども同じである)、すべてコマンドラインから操作できるという点だけが異なっている。そのため、例えばタスクスケジューラと組み合わせて、毎週決まった時間に自動的にデフラグ操作を行わせる、などということが簡単にできる。以前のGUI版では、例えば「Windows TIPS:ディスク デフラグ ツールの制限について」のような手法を使わなければ(このTIPSでは、GUIツールをWindows Scripting Hostで操作させていた)、定期的な実行は難しかった。
C:\>defrag c: -v …詳細表示オプション付きでデフラグを実行する
Windows ディスク デフラグ ツール
Copyright (C) 2001 Microsoft Corp. and Executive Software International, Inc.
分析レポート …デフラグ対象のボリュームの現在の状態
ボリューム サイズ = 14.31 GB
クラスタ サイズ = 4 KB
使用領域 = 3.67 GB
空き領域 = 10.64 GB
空き領域の割合 = 74 %
ボリュームの断片化
全体の断片化 = 10 %
ファイルの断片化 = 21 %
空き領域の断片化 = 0 %
ファイルの断片化
ファイルの総数 = 19,526
平均ファイル サイズ = 253 KB
断片化されたファイルの総数 = 762
超過断片の総数 = 8,339
ファイルあたりの断片の平均 = 1.42
ページ ファイルの断片化
ページ ファイル サイズ = 480 MB
断片の総数 = 1
フォルダの断片化
フォルダの総数 = 1,403
断片化されたフォルダ = 103
フォルダの超過断片 = 646
マスタ ファイル テーブル (MFT) の断片化
全体の MFT サイズ = 21 MB
MFT レコード数 = 20,973
MFT 使用率 = 99
MFT 断片の総数 = 2
……(以下、デフラグが終了するまで何も表示されないし、
デフラグ中はGUI版ツールは起動できない)
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■pagefileconfig.vbs――ページ・ファイルの作成、確認
このコマンド(Windows Scripting Hostによるプログラム)は、ページ・ファイルをコマンドラインから操作、確認するためのものである。既存のページ・ファイルのサイズを確認したり、追加、削除、変更したりすることができる。ほかのコマンドと同様に、リモートのシステムのページ・ファイルを修正したり、変更したりすることもできる。
C:\WINDOWS\system32>cscript pagefileconfig.vbs /create /i 256 /m 256 /vo e:
↑↑…ドライブE:に、256Mbytesのページ・ファイルを作成する
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
Copyright (C) Microsoft Corporation 1996-2001. All rights reserved.
成功: 初期サイズ 256 MB、最大サイズ ……ファイルの作成が成功
256 MB のページ・ファイルはボリューム 'E:' に作成されました。
これらの変更を有効にするためには、コンピュータを再起動してください。
C:\WINDOWS\system32>cscript pagefileconfig.vbs …ページ・ファイルの確認
Microsoft (R) Windows Script Host Version 5.6
Copyright (C) Microsoft Corporation 1996-2001. All rights reserved.
Host Name: WINXPPRO10
Drive/Volume: C: ……最初からあったページ・ファイル
Volume Label: NTFS
Location\File Name: C:\pagefile.sys
Initial Size: 480 MB……初期サイズ=480Mbytes
Maximum Size: 960 MB……最大サイズ=960Mbytes
Current Size: 480 MB
Total Free Space: 11337 MB
Host Name: WINXPPRO10
Drive/Volume: E: ……今追加作成したページ・ファイル(/vo
e:)
Volume Label: NTFS-Win2k
Location\File Name: E:\pagefile.sys
Initial Size: 256 MB ……初期サイズ(/i
256)=256Mbytes
Maximum Size: 256 MB ……最大サイズ(/m
256)=256Mbytes
Current Size: 256 MB
Total Free Space: 2033 MB
Host Name:
WINXPPRO10
Total (All Drives): Minimum Size:
2 MB
Total (All Drives): Recommended Size: 958 MB
Total (All Drives): Currently Allocated: 736 MB |
■openfiles.exe――ファイルのオープン状態の確認とクローズ
これは、オープンしているファイルを調べたり、そのファイルを強制的にクローズしたりするためのユーティリティである。
同様の機能を持つコマンドとして、これまでもNET FILEコマンドがあった。これを使えば、オープンしているファイルの情報を表示することはできるが、共有ファイル(ネットワーク経由でオープンされているファイル)のオープン状態しか分からない。それに対してこのコマンドでは、ローカルのシステム上でオープンされているファイルの情報を得ることもできる。ただしこのためには、オープン状態を追跡するためのグローバルなシステム・フラグをあらかじめオンにしておかなければならない(“openfiles
/local on”を実行しておく)。さらに、リモート・サーバ上のファイルのオープン状態を調べたり、それをクローズしたりすることもできる。
C:\>openfiles /query /S server01
↑↑…リモートのサーバserver01上でオープンされているファイルの情報の表示
ID アクセス
種類 開いているファイル (パス\実行可能ファイル)
======== ==================== ========== =====================================
11904 SERVER05$
Windows \PIPE\llsrpc
15314 TAKA-E
Windows E:\prj
18930 KEII-I
Windows E:\..\Program Files\ut\clippool.exe
20314 HIROY-U
Windows E:\..\コマンドライン・ツール.doc
20326 HIROY-U
Windows E:\usr\HIROY-U\bookmark.htm
20332 HIROY-U
Windows \PIPE\srvsvc
C:\>openfiles /disconnect /s server01 /id 20326 …リモートのファイルをクローズする
成功: 開いているファイル "E:\usr\HIROY-U\bookmark.htm" への接続は正常に終了されました。
↑↑…リモートマシン上のファイルがクローズされた
C:\>openfiles /query /S server01 …もう一度表示させてみる
ID アクセス
種類 開いているファイル (パス\実行可能ファイル)
======== ==================== ========== =====================================
11904 SERVER05$
Windows \PIPE\llsrpc
15314 TAKA-E
Windows E:\prj
18930 KEII-I
Windows E:\..\Program Files\ut\clippool.exe
20314 HIROY-U
Windows E:\..\コマンドライン・ツール後編.doc
20339 HIROY-U
Windows \PIPE\srvsvc
↑↑…ID 20326のファイルがクローズされている |
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