XML eXpert eXchange
第4回 読者調査結果発表

〜読者が選んだ XMLデータベースは?〜


小柴 豊
@IT マーケティングサービス担当
2001/9/13


 XMLのビジネス利用が本格化するにつれ、XMLデータの格納・検索・更新を効率的に行うデータベース選びが重要になる。XML用のデータベースとしては、現在主に2種類 、 リレーショナルデータベースにマッピングする方法と、XML専用データベースを使用する方法があるが、ユーザーはどのような製品を選択するのだろうか? 第4回 XML eXpert eXchange読者調査の結果から、フォーラム読者の現状や志向を紹介しよう。

XMLデータベース選択時の重視点:最大のポイントは“高速性”

 そもそもXML用にデータベースを選択するとき、どのような機能/特徴がポイントになるのだろうか? 読者に重視する点を尋ねたところ、「XMLデータを扱うときの高速性」がトップに選ばれ、以下「既存システムで使用しているデータベースとの一貫性」「XMLアプリケーション開発環境の提供」「XML階層構造をそのまま格納できること」が続く結果となった(図1)。XMLで表現されたデータはタグなどが含まれるテキストデータであるため冗長になりがちで、システムのボトルネック化を避けるにもデータベースのパフォーマンスが一層重視されるのかもしれない。

図1 XML用データベース選択時の重視点(複数回答 N=180)

XMLデータの格納先:リレーショナルか? XML専用か?

 続いてXML用データベースを選ぶ際、リレーショナルデータベースとXML専用データベースのどちらを使いたいか聞いたところ、「XMLデータは、既存のリレーショナルデータベースのテーブルにマッピングして格納したい」が約半数、「XMLデータは既存のリレーショナルデータベースよりも、XML専用データベースに格納したい」がおよそ1/4という結果となった(図2)。いまのところリレーショナル派が優勢であるが、現在の製品使用状況(後述)から考えると、XML専用データベースも健闘しているといえそうだ。

図2 XML用データベースについての意見 (N=180)

データベース使用状況:リードするOracle、興味高まるXML専用

 では読者がXMLデータを格納する際、「現在主に使っているデータベース」「今後最も使いたい/興味があるデータベース」について、具体的な製品ベースで見てみよう(図3)。まず現在の使用率では「Oracle」がリードしており、2位の「SQL Server」以下に大きな差をつけている。データベースの種類別で見ると、現在使用されている製品はほとんどがリレーショナルデータベースであり、XML専用データベースのユーザーはいまのところ少ない。

図3 XML用データベース使用状況/使用意向(N=180)

 一方今後の使用希望では、XML専用データベースである「eXcelon/ObjectStore」が、「Oracle」や、オープンソースの「PostgreSQL」と並ぶ結果となった。種類別でも、現状に比べXML専用データベース各製品への興味が高まっているようだ。XML専用データベースを希望する読者にその理由を尋ねたところ、

  • Webサイトの開発においてはコンテンツのスキーマが頻繁に変更されるため、リレーショナルデータベースですべてに対応するのがとても難しい
  • (電子カタログを制作するとき)製品カテゴリやサプライヤが増えるごとに、スキーマをいじる必要がでてくる

といったコメントが寄せられた。XML専用データベースの長所としてマッピングが不要なことによる高速性がよく挙げられるが、こうした非定型/変化の早い業務へのXML適用案件が増えてくれば、リレーショナルデータベースに比べた柔軟性/拡張性メリットにより、XML専用データベース市場が拡大する可能性もありそうだ。

XMLとリレーショナルのマッピング

 最後に、リレーショナルデータベースにXMLデータを入出力する際のマッピングについて、「現在主に実施している方法」「今後やってみたい方法」を聞いた結果を紹介しておこう(図4)。

 現在実施している方法では「XMLパーサを使ってプログラミングする」読者が最も多く、「RDBMSのXML拡張機能を利用」がそれに続く結果となった。各種マッピング・ツールを利用している人は、まだほとんど見られない。今後やってみたい方法では現状の1位と2位が逆転して「リレーショナルデータベースのXML拡張機能利用」がトップに立ったほか、「iConnector」などのツールの利用意向も上がっており、マッピング方法は今後多様化していくと予想される。

図4 XMLデータのマッピング方法(N=180)

調査概要

  • 調査方法:XML eXpert eXchangeサイトからリンクした Webアンケート
  • 調査期間:2001年7月3日〜7月24日
  • 有効回答数:180件
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