セクタ (sector)
ディスク・ドライブやテープ・ドライブ、光ディスクなどの記憶装置において、データを読み書きする単位のこと。「セクタ(sector)」とは領域とか区画という意味。データを記録するトラック内には複数のセクタが配置されている。
データはトラック上に記録されるが、実際にデータを読み書きする場合は、「セクタ」という単位に区切って行う。記憶装置を使うアプリケーションにとっては、固定的な長さのブロックに区切って管理するほうが柔軟性が高いからだ。トラック単位でしか扱えないとすると、記録方式や記録密度などが変わるたびに、アプリケーションやOS側の変更が必要になるが、セクタという固定的なサイズであれば比較的に自由にその上にファイル・システムなどを構築することができる。
ただし最近のハードディスクなどでは、論理的にはセクタ単位でアクセスできるが、実際には内部では1トラック単位でデータを記録している場合がある。データを読み書きするときは、それぞれヘッダ情報やエラー検出/訂正のためのデータなども付加する必要があるが、セクタが多いとそれらの部分も増え、実際に利用できる領域が少なくなってしまったりする。
コンピュータ用の周辺機器の場合は、1セクタは512bytes〜2Kbytes程度というのが一般的である。例えば1枚あたり1.44Mbytesの容量を持つ3.5インチのフロッピー・ディスクでは、1セクタのサイズは512bytesで、1トラックあたり18セクタ、ディスク1枚当たり160トラック(片面では80トラックだが、裏と表の両面を使うので全部で160トラック)というフォーマットが一般的である。またハードディスクなどでは、外周部に行くほど1トラックあたりのセクタ数が増えるように記録するものが多い。トラック上の記録ビット密度(単位長さあたりに記録できる総ビット数)をほぼ一定にすると、外周部の方が多く記録できるからだ。
トラックとセクタとシリンダ トラックとは、ディスク・ドライブやテープ・ドライブ、光ディスクなどの記憶装置において、データを記録する、線状に連なった部分のこと。トラックの中にはいくつかのセクタがあり、データはセクタ単位で読み書きされる。トラックは同心円状に多数配置されている場合と、連続した、らせん状に配置されている場合がある。同心円状のトラックの場合は、同じ位置にある各記録面のトラックをひとまとめにして、シリンダと呼ぶ。同じシリンダ上にあるトラックはヘッドをシークしなくてもよいので高速にアクセスできる。そのため連続してデータを記録する場合は、同一シリンダ上のすべてのトラックへ書き込んでから次のトラックへ移動するのが普通である。 |
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