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iMac

【アイ・マック】

最終更新日: 2001/07/04

 家庭でコンピュータを利用するホームユーザーをターゲットとして、デザインや仕様などを一新したオールインワン型Macintoshの新シリーズ。米Apple社より1998年8月に世界同時発売された。

 iMacで大きく話題になったのは、スケルトン(透明)タイプのプラスチックをケースに採用し、コンピュータ内部が見えるようにした斬新なデザイン、モデムやネットワーク(イーサネット)などホームユースで一般に求められるインターフェイスを標準搭載し、ディスプレイまでをオールインワンにまとめることで、最低限の結線と設定ですぐにコンピュータを使えるようにしたこと、そして何より、当時の最新スペックをほぼ満たしながらも1299ドル(米国価格。国内では17万8000円)という低価格を実現したことである。

 具体的なスペックとしては、CPUにPowerPC G3/233(233MHz)、メインメモリに32Mbytes SDRAMを搭載(128Mbytesにアップグレードが可能)し、4Gbytesハードディスク、24倍速CD-ROM、10/100イーサネットインターフェイス、33.6kbpsモデム、4Mbpsでの通信が可能な赤外線通信ポート、15インチ・ビルトインディスプレイ(最大1024×768ドットを表示可能)を一体型のケースに組み込んだ。グラフィックスチップには加ATI社の3D Rage IIを採用した。

 またiMacでは、外部周辺機器用の接続インターフェイスが従来から一新された。伝統的にMacintoshは、ADB(Apple Desktop Bus)と呼ばれる独自のインターフェイスでキーボードやマウスを接続するようになっていたが、このiMacには、ADBポートは存在せず、キーボード/マウス接続にはUSBを使用する。これ以外にもiMacでは、SCSIインターフェイス、フロッピーディスクドライブ、ダイレクトプリンタポートが省略されている。

 1998年8月に発売された初代iMacでは、ボンダイブルー(Bondai Blue)と呼ばれる青(見た目はグリーンに近い)がケースの色として採用されていた(Bondaiはオーストラリアにある著名な海岸の名称)。

 斬新なデザインと低価格が功を奏して、1998年末のパーソナルコンピュータ商戦において、iMacは大成功を納めた。この後Apple社は、初代iMacのCPU(PowerPC G3/233→PowerPC G3/266)や標準搭載ディスク(4Gbytes→6Gbytes)をグレードアップし、ケースカラーを5色に増やした新バージョンを1999年1月に発表した。新しいケースカラーは、ストロベリー(strawberry)、ライム(lime)、ブルーベリー(blueberry)、タンジェリン(tangerine。赤みの強いオレンジ色。タンジェリンは米国やアフリカで多く産出されるミカン)、グレープ(grape)の果物に因んだ5色。販売価格は初期バージョンの17万8000から2万円値下げされ、15万8000円とされた。またこの新版の発表により、初期バージョンのiMac(ボンダイブルー)は12万8000円に値下げされた。

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