連載
KIU研究会レポート(2)


経営戦略からみたBPMの必要性

生井 俊

2006/3/7

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各種システムが担う業務を連鎖化する仕組みを提供

 
Speaker
日本ティブコソフトウェア株式会社
シニアソリューションコンサルタント
木村 礼壮氏
   

 最後に日本ティブコソフトウェア株式会社シニアソリューションコンサルタントの木村氏が「リアルタイムエンタープライズアーキテクチャ」をテーマに発表した。概略は次のとおり。

 「TIBCOは、独立したビジネス統合ソフトウェア企業として、世界No.1の売り上げ、シェアがあり、EAI市場、BPM市場でリーダー企業の1つとしての評価を受けている。Fortune500企業を中心に2700社、国内ではNTT東日本やソフトバンクBBなど百数十社がお客さまだ。現在、従業員は全世界で1500名おり、日本に力を入れていく方針で、いまの35名体制から90名体制へ増員する予定にしている。

 TIBCOが提供するプラットフォーム製品は、イベントドリブンにシステム間の処理を回していくもの。いまあるシステムをハーモナイズして、連携動作させることを標榜している会社だ。何らかのアクション(例えばお客さまのクリック)をトリガーにして、処理先にメッセージを届け、フィードバックを受け、それらを管理していくことで、業務を連鎖化する。業務だけでなく、テクノロジ的なハーモナイズも考えている。

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 各企業には、いろいろな業務アプリケーションや、データベースが存在している。ビジネスを遂行していく中で、それぞれの情報にアクセスしていく必要が多々ある。これらのシステム群をTIBCOの「インフォメーションバス」(情報バス)へプラグインすると、すべてのシステムで情報のやりとりが可能になる。これはメッセージングといわれる技術だ。各システムは、ネットワークさえつながっていれば、社内、社外問わずつながるのが情報バスのテクノロジだ。

 その上に、EAIという形でシステム間の連携を定義するレイヤがある。あるイベントが起こった瞬間に、ほかのシステムにも反映させていく仕組みで、与信や見積もりなどの各処理を自動化することができる。End to Endでのビジネスプロセスを管理していくのがBPMのレイヤだ。ひも付けすることで、必要な情報をEAIのレイヤから持ってくることができる。

 それぞれのレイヤは別々に存在しているため、ITサイドの変更に対し、ビジネスサイドがまったく影響を受けないというメリットがある。逆にビジネスサイドの変更も、ITサイドに影響しないことを実現している。エンドユーザーは、どういうシステムの、どういった機能が、どういうふうに動いているのかということを意識することなく利用でき、ビジネスマネージャはビジネスプロセスを構築していって、後は課金処理や顧客情報処理などをITサイドへサービス化していくのをお願いすればいい。それだけでは十分でないため、いまどんなことが起きているかをモニタリングするツールを用意している。1つは、ビジネスラインマネージャ向け、もう1つは経営者向けのもので、情報の統合、ビジネスプロセスの可視化、管理、それから継続的な改善を実現するツールだ。

 いま、世界のさまざまな企業で導入され、業務改善の実績も数多く出てきている。各種事例についてはTIBCOまで問い合わせてほしい」

筆者プロフィール
生井 俊(いくい しゅん)
1975年生まれ、東京都出身。同志社大学留学、早稲田大学第一文学部卒業。株式会社リコー、都立高校教師を経て、現在、ライターとして活動中。著書に『インターネット・マーケティング・ハンドブック』(同友館、共著)『万有縁力』(プレジデント社、共著)。
■要約■
「経営とITの融合」研究会の第2回会合の模様をお伝えする。

メタジトリーの丸山氏は、「BPMの参加者は、ユーザー、コンサルタント、システム管理者、システム事業者の4者だと考えている。その4者が四つ葉のクローバーのように連携することで、情報システムについての課題を早く解決していきたい」という。

その中で、誰がどの領域のスキルを持っているかが分かると便利だ。丸山氏は、「人材、スキルをチェックすることで、初めてBPMがマーケット的に認知されるのではないか」と語った。

アイ・エフ・コンサルティングの高橋氏は、「プロセスを考え直し、差別化戦略につないでいくことが必要だ」としたうえで、プロセス改革を連続的に行うためには必然性が必要であることを説明、事例を通じてBPMの有用性を解説した。

日本ティブコソフトウェアの木村氏は、同社の「リアルタイムエンタープライズアーキテクチャ」について発表、現行システムをハーモナイズして、連携動作できる点などをアピールした。

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事業のソフト化で他社との差別化を図る
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