ビジネスとITのギャップを埋める8つの方法
2007/2/16
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ビジネスプロセスモデリング表記法『BPMN』〜モデリングの進め方とモデリングツールの実践的活用法〜
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ビジネスプロセスモデリング表記法「BPMN」の特徴ですが、1つ目はOMGで採択中の国際標準であること。2つ目は、ビジネスユーザーの分かりやすさを追求したシンプルな表記法であること。3つ目は、SOAの設計図面を記述できる表現能力を持ち、ビジネスプロセス実行言語(BPEL)への変換が可能だということ。この3つが大きなものです。
ビジネスプロセス図の記述レベルの1つに、ビジネスユーザーが対象になる「概要モデル」があります。モデリングの目的はビジネスプロセスの可視化で、主なモデリングの視点としては作業の順序性や条件判断、同時実行などの構成にあります。そのビジネスプロセスの可視化には、「1.プロセス関係者を明示する」「2.作業を抽出する」「3.作業の順序を表現する」「4.プロセス関係者とのやりとりを表現する」「5.条件判断を表現する」「6.同時に実行される作業を表現する」「7.プロセスの開始と終了を明示する」「8.ビジネスプロセス図を分かりやすく飾る」の8つ視点があります。
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記述レベルの2つ目は、プロセスデザイナーによる「詳細モデル」です。ビジネスプロセスのモニタリングや仮説検証などを考慮した詳細化がモデリングの目的で、主なモデリングの視点としては「作業の開始/終了タイミング(イベント)」「繰り返す作業(ループ)」などを含めた詳細な振る舞いを定義することがあります。アクティビティやイベント、ゲートウェイにバリエーションを加える豊富な図形が用意されています。
記述レベルの3つ目は、IT技術者による「実装モデル」です。モデリングの目的はBPELの生成で、主なモデリングの視点としては「Webサービスの呼び出し」「BPEL生成に必要なBPMN属性の定義」「システム的な例外や補償処理」があります。Webサービスの呼び出しでポイントになるのが、WSDL(Web Services Description Language)です。これはWebサービスの呼び出しを規定するXMLベースのインターフェイス記述言語で、受注変更や取消などのように、オペレーション単位で関連付けていきます。
「BPMN 1.0」に準拠したモデリングツールの1つに、スイスITPearls社が開発した「ITPearls Process Modeler」があります。これは、優れた描画能力を持つMicrosoft Visioをベースに、BPMN図形要素をステンシルとして提供するものです。WordやExcelと連携したドキュメンテーション機能やシミュレーション機能、リポジトリを利用したチームモデリングなどを実現しています。そのほか、「ITPearls Process Modeler」で編集可能な業務フローテンプレートの無償提供も行っています。
オラクルのアプリケーション/ミドルウェア戦略
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オラクルの戦略のキーワードは「Fusion」──つまり融合です。オラクルのアプリケーションをお客さまの継続的競争力向上の原動力にするのが、わたしたちのミッションになります。法制度や規制へのコンプライアンスが話題になっていますが、調査会社ガートナーの調査によるとコストの80%がメンテナンスに使われ、新規プロジェクトに振り向けられるのはたった20%にすぎません。
ビジネスの成功を支える情報指向経営を実現するためには、いまを見極める情報の可視化と分析──いわゆるビジネスインテリジェンスやBAMといわれる領域──、変化適応性としてプロセス設計と導入が必要で、これらをサポートする製品群を出しています。そのソリューション「Fusion Applications」は、Oracle、Siebel、PeopleSoft、JD Edwardsのベスト・オブ・ベスト、いいとこ取りのアプリケーションです。ホリゾンタル(水平)製品の強みと業種別ノウハウを生かして提供しています。
「Oracle SOA Suite」は、「Oracle Fusion Middleware」で提供されているSOA関連コンポーネント群のことです。BPM(Oracle BPEL Process Manager)、ルール・エンジン(Oracle Business Rules)、BAM(Oracle Business Activity Monitoring)、サービス・レジストリ(Oracle Service Registry)など幅広く展開。また、「ホット・プラガブル」(プラグイン)により他社製品にも対応しています。
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PMによるグランドデザイン
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戦略/プロセス/組織・制度/ITの整合を目指す、日本ユニシス独自の企業変革モデルが「SPOIT」(スポイト)です。事業課題を解決する戦略に基づき(Strategy)、その戦略をうまく実現できるビジネスプロセスに設計変更し(Process)、そのビジネスプロセスを効率的かつ継続的に実行できる組織・制度へ変革し(Organizational change)、ITによりこれらを効率的かつ継続的に実現しモニターする(Information Technologies)。システム化できたことで、モニタリングした業務データをフィードバックし、経営指標のデータを提供することで、次の戦略を策定していく、というようにサイクルを回すのがSPOITで、BPMの考え方と整合が取れているものだと考えています。
日本ユニシス独自のEAモデルとして3次元のビジュアルエンタープライズ「3D-VE」があります。第1層は「戦略&ビジネスモデル」、第2層は「ビジネスプロセス」で、ここはBPMで可視化と設計ができます。第3層の「アプリケーション」、第4層の「インフラ」に関してはSOAで設計をします。
BPMサイクルでは、可視化だけでなく、モニタリングがあります。これには「結果」「イベント」「プロセス」の3種類があり、そのモニタリングのためには、モニタリングツールを競合ではなく、使い分けていく必要があります。
結果系のデータ/指標については、ERPなどの基幹系、結果系DWH/BIでモニターし、現況概要の把握をします。たとえるなら、組織の健康度が手軽に分かる体重計です。プロセス上のイベントについては、BAMでモニターし、問題発生をリアルタイムで警告します。これは、血圧測定器のようなもので、これさえ気を付けておけばよいというピンポイントが分かっていればベストです。プロセス系のデータ/指標については、「ARIS PPM」などのプロセスモニタリングツールでモニターし、問題発生パターンの特定と原因分析をします。これは、血液検査に相当するもので、専門家に任せないといけないけど、何がおかしくなっているのか詳しく分析ができます。
オージス総研のモデルベース開発とSOA開発〜UMLを活用したサービスとプロセスのモデリング〜
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システムのモデリングでは、一般的にシステムへの要求分析、ユースケース分析、問題領域の把握(ドメインモデル)、実装のための情報の付加を行い、ドメインの理解、把握に注力します。一方、ビジネスのモデリングでは、ビジネスゴールを設定し、ゴールを実現するプロセス、ビジネスアクティビティ、プロセスを実現するための組織や機能を定義します。システムモデリングのソフトウェアコンポーネントと、ビジネスモデリングのビジネスアクティビティの間にはギャップがあり、そこへサービスを持ち込んでギャップを埋めることが必要になります。
ビジネスゴールとITの一体化のためには、上位ビジネスモデルとの一貫性、トレーサビリティが必要です。また、ビジネスの変化へ素早く対応するために、サービスおよびサービスインターフェイス、メッセージの再利用性、疎結合によるサービス連携が欠かせません。そこには、ビジネスゴール→ビジネスプロセス→情報システムの一貫した設計が必要で、ビジネスモデリングからSOAモデリングへどうつなげていくかがテーマになっています。ビジネスモデリングの領域を、UMLモデリングを使って表現することで、一貫性と整合性を確保することが可能です。
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