パケッティア社、「8秒ルール」を厳守するWebアクセラレータ

2000/11/15

 パケッティア社は、11月14日、インターネットでのコンテンツ配信にかかるレスポンスタイムを短縮するアプライアンス製品「AppCelera ICX-55」を発表した。米アトランタで開催された今年のNetworld+Interop 2000でBest Of Showを受賞した製品で、同社では“インターネット・コンテンツ・アクセラレーション”と呼んでいる。

「AppCelera ICX-55」同時に200コネクション/秒をハンドリングできる

 企業がグラフィックを多用して顧客をひきつけるサイトを構築しても、帯域幅が支障となりダウンロードに時間がかかっているのが現状だ。現在、待ち時間の限界は8秒と言われており(「8秒ルール」)、Web上で展開を図る企業の課題の1つとなっている。解決方法として、1つのコンテンツに対して低回線用、高回線用と複数のバージョンを用意したり、コンテンツ配信ネットワーク・サービスを利用したり、キャッシュ製品を導入するなどのアプローチがあるが、いずれも完全ではないという。例えば、コンテンツ配信ネットワーク・サービスを利用した場合、ホスティングのパフォーマンスは向上してもユーザーのアクセススピードとは無関係だし、キャッシュ製品の場合も、サーバの負荷を軽減できてもユーザ側の問題解決にはならないからだ。

 パケッティア社の新製品は、違うアプローチをとった。ユーザー環境(接続速度、ブラウザのタイプやバージョンなど)を認識し、最適なコンテンツの圧縮を行うため、ユーザーのアクセス環境に依存することなく「8秒ルール」を遵守できるという。場合によっては、JPEGからGIFなどの画像の変換も自動的に行い、通常の待ち時間から30〜50%短縮する。行われたデモでは、「AppCelera ICX-55」なしのネットワークの場合、表示に27秒かかったコンテンツが、同製品を間に置いた場合は6秒弱というレスポンスタイムを実現した。

 動的・静的の両方のコンテンツに対応し、クライアント側にエージェント・ソフトを新たにインストールする必要がない。企業LAN、モデムといった接続方法に関係無く、全てのユーザーに対しパフォーマンスが向上するため、ユーザーの満足度の向上、使用帯域幅の節約、サーバ側の負荷の軽減にもつながるという。

 製品は1Uのアプライアンス型で、サーバの直前に置く。IPアドレスを16個管理できるため、複数のサーバにも対応する。プラグ&プレイ式で、もし「AppCelera ICX-55」がダウンしてもサーバに影響を与えることはないという。

 同社代表取締役の金城盛弘氏は、日本に特に潜在ニーズが高いという。「“広帯域”とは言っても、圧倒的にモデムだと54kを使用しているのが現実。特に日本のホーム・ユーザーは従量課金型が多くダウンロード時間を気にしている」(金城社長)。同社では、今後、消費者行動の分析を行っていくことも考えているという。 製品はリセラー各社を通して販売され、出荷は年末を予定している。価格は180万円前後で10%ほどの年間保守契約額が加算される。

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パケッティアの製品紹介

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