Microsoft、分割命令に対し再び挑む
2000/11/29
(11/27/00, 7:21 p.m. ET) By Mary Mosquera, TechWeb
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Microsoft独占禁止法の控訴審プロセスがはじまった。今年6月の地裁判決をMicrosoft側は不服として上訴しており、11月27日、連邦控訴裁に書類を手渡した。
連邦政府はMicrosoftの分割を言い渡した下院の審判を拒否するべきだ。独占禁止法を用いた訴訟に根本から不備があったからだ――これがMicrosoft側の弁護士の最新の申し立てだ。弁護士は“プロセスそのものが間違い(エラー)だった”と書面上で撤回を求めた。
コロンビア地区の地方裁判所に提出した188ページに及ぶ書類の中には、Microsoftの分割を命じた地方判事の判決は“独占禁止法を根本から誤解している”と主張している。
今年6月、米連邦地裁判事のThomas Penfield Jackson氏は、Microsoftに対し2社に分社するよう命じた。OSとアプリケーションの取り扱いを分けるためだ。Jackson判事は控訴の間、この救済策を提示し続けた。
Jackson判事は、MicrosoftはOSシステムを独占的に運営し、他のアプリケーションの参入を妨げ、独占禁止法を犯したという判決を下した。これはすなわち、Microsoftの独占により、ソフトウェア開発者がWindows以外のOSへの開発を行うことは有益ではなくなったというものだ。
Jackson判事はまた、同社はWebブラウザであるInternet ExplorerをWindows OSに統合し無償で提供することにより、優位な立場を活かして独占的な力をさらに拡大しようとしたとした。これにより、Internet Explorerの競合製品であるNetscape Navigatorとの競争は正当なものではなく、Netscape Navigatorアプリケーションの参入を難しくしたとしている。
しかしMicrosoftの提出した書類によれば、Netscapeは販売チャネルを通じて製品を広く販売してきたと反論している。そして、Netscapeは犠牲者だったというよりむしろ、裁判が行われれている間にAmerica Onlineが40億ドルで買収したほど、高い価値のある会社だったと書かれている。
Microsoft側の弁護士は、Jackson判事の提示した救済策は、その策が及ぼす影響を考慮に入れておらず不服だとしている。とりわけ、MicrosoftのOS設計内容の開示(ディスクロージャー)と規制については、“懲罰であり度を越えている”としている。
Microsoft側は、同社の分社は消費者を困らせることになると述べている。ソフトウェアの価格が上昇するからだ。また、同社のイノベーションの減速にもつながるという。“WindowsとOfficeのように、それぞれの製品開発にあたっている開発者が同じ会社に存在し、分野をまたいで交換し合うこと(他家受粉作用)により、多数のイノベーションを生み出してきた”と記述している。
提出された書類の大筋は、Jackson判事による裁判の進め方が“著しく通常とは異なり、Microsoftへの偏見に満ちていた。再三にわたり、地方裁判所はあの手この手でゲームのルールを変え続けた――しかも、必ずMicrosoftにとって痛手となるように”
Microsoftに対し審判を下した後、Jackson判事はこの訴訟について何度もコメントしている。それについても、そのような行為は米国の裁判官としての品位を冒涜するもの、(裁判官として)失格のもととなると非難している。
Microsoftは裁判所に対し、政府の主張が通るのなら、“(主張に関して)審判結果を無効にし、別の地区判事との新たな裁判を求めるよう要求する”と求めている。
ソフトウェアの巨人を相手取り、独占禁止法に違反すると訴えた司法省と19の州では、来年1月12日に政府の賛成を得て法廷助言者の書類と上訴の書類を作成する。Microsoftはその後、1月29日までに反論でき、2月9日までに最終的な書類を提出する。7人の上訴判事との議論は、2月26日、27日に行われることになっている。
[英文記事]
Microsoft
Again Attacks 'Flawed' Breakup Order
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