日立がCrusoeおよびMobile Linux採用端末を発売

2000/12/9

 日立製作所は、TransmetaのCrusoeとMobile Linuxを採用したインターネット情報端末「日立インターネットアプライアンスFLORA-ie 55mi」を発表。12月11日から販売を開始する。

日立インターネットアプライアンスFLORA-ie 55mi

 同製品は400MHzのTransmeta Crusoeと64MBのオンボードメモリ(PC100 SDRAM)、800×600ドット/64万色表示可能な10.4型TFT液晶ディスプレイを搭載。また48〜128MBの範囲で選択できるCompact Flash ROMカード、USBポート×2、PCカードスロット(TypeII×2あるいはTypeIII×1)、V.90 FAXモデムを装備する。HDDは搭載しないディスクレス仕様で、バッテリ駆動時間は約3.5時間(Sバッテリ時)あるいは7時間(Lバッテリ時)。

 OSにはMobile Linuxを採用。デスクトップ環境はGNOMEでWindow ManagerはSawfish。ほかにNetscape Navigator 4.76やSylpheed(メーラー)、canna(FEP)が標準でインストールされている。OSはCompact Flash ROMカードに圧縮された状態で書き込まれており、システムの破壊は防止されている。また、手書き文字認識ソフト「てが〜る」を装備しており、タッチパネルに直接手書き入力することも可能。

 同社によると、簡単操作を活かした重役向け端末、旅行代理店などの端末、オンライン学習塾そのほか工事現場や各種業務での利用を想定しているという。ただし、同製品の制限事項として、

・USBのホットプラグは未サポート
・Netscape Navigatorのリサイズなどを行うとNetscape Navigatorが異常終了する
・メニューなどの日本語表示がおかしくなることがある

など、エンドユーザーが安心して使えるレベルではないようだ。

 参考価格は、通信用デバイスおよびバッテリーなし、48MB Compact Flash装備のモデルが9万7800円(500台ロット時)、10/100BASE-TXインターフェイスおよびFAXモデム、Sバッテリ、64MB Compact Flash、クレードル装備のモデルが13万6800円(開発評価用)。また、ハードウェアやアプリケーションの追加を行うカスタマイズサービス、DNSやIPアドレスなどの設定を行うプレセッティングサービスなども用意されている。

■主なハードウェア仕様

CPU Crusoe(TM3200 400MHz)
メモリ 64MB PC100 SDRAM(最大192MB)
Compacht Flash ROM 48/64/96/128MB(択一)
内蔵ディスプレイ 10.4型TFT(800×600ドット/64万色表示)
標準I/F USB×2、ステレオヘッドフォン×1、モノラルマイク×1
PCカードスロット 992CardBus TypeII×2あるいはTypeIII×1
LAN(内蔵モデルのみ) 10BASE-T/100BASE-TX
モデム(内蔵モデルのみ) V.90対応FAXモデム
サイズ 280(W)×220(D)×25.8(H)mm
重量 1.25kg(TFTモデル、Sバッテリ搭載時)

 

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