ノベル、XMLでメタディレクトリを実現する「DirXML」
2001/1/25
ノベルは1月24日、XMLを用い複数のアプリケーション、プラットフォームにおいてアカウント情報の共有/同期が行える「Novell DirXML 1.0」を発表した(DirXMLは、ディレクスエムエル、と発音する)。
新製品は、同社のディレクトリーサーバ「NDS eDirectory」をベースとする。ロータスのドミノやネットスケープのディレクトリサーバ、ERPソフトウェアなど、現在別々に管理せざるを得ないアプリケーションのアカウント情報を、1つのディレクトリに統合して管理できる。異なるデータ形式を持つアプリケーションやプラットフォーム間で情報の同期を実現するために「メタディレクトリ」というアプローチをとった。メタディレクトリとは全ディレクトリを統括するディレクトリを構築する手法。入力または変更された情報はすべてこのDirXMLが管理するディレクトリに送られ、関連付けが行われた後、対象となるディレクトリに配信される。
ノベルは、NDS eDirectoryで既にActiveDirectoryやドミノなど、主要なOSやアプリケーションのアカウント情報を統合する機能を提供している。しかし、この方法ではアプリケーションやOSごとに対応する変換ドライバを開発し、NDS eDirectoryへ統合しなければならないため、柔軟性の面で乏しく、またSIなどからのカスタマイズの要望に応えることも難しかった。DirXMLは、OSやアプリケーションごとのドライバが完全になくなったわけではないが、変換の主要部分をXMLのXSLTと呼ばれる標準技術を採用したことでより柔軟なソリューションを提供できるようになる。
同製品は、XMLがNDSとアプリケーションのデータのトランスレータとして機能する。アプリケーションからDirXMLへは、アプリケーションにネイティブなフォーマット(ANF)で送られ、DirXML内でXML化されてからeDirectoryへ送られる。逆方向の場合、eDirectoryから送られるXMLデータは対象のアプリケーションのルールが適用されANFに変換される。そのため、アプリケーション側での変更作業は行う必要がない。
ディレクトリに蓄積されるアカウントデータには所有権が与えられるため、あるアプリケーションによる情報が勝手に別のアプリケーションのアカウント情報を書き換えてしまうような事態を防止できる。また、アカウントの共通データはNDS内で、固有データは各アプリケーション側で分けて管理できるため、管理者の負担が軽減する。
製品は、DirXMLエンジンとDirXMLドライバにより構成される。今回、発表されたドライバは、Microsoft Active Directory、Lotus Notes、Microsoft Exchange、iPlanet Directory ServerとNDSツリーの同期を行うためのNDS eDirectryの5つ。
NetWare、Windows NT/2k、Solaris、Linuxの各OSに対応する。出荷は2月9日より。DirXMLの導入には、同社かパートナーのコンサルティングを受けることが前提になるため、DirXML単体の価格は明らかにされなかった。
同社では、同日、DirXMLのベースとなる「NDS eDirectory 8.5」、管理ソフトウェア「Novell Account Management 2.1」の発表も行った。
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