クアルコム、携帯アプリ向けの新プラットフォームを発表
2001/2/1
1月31日、米クアルコムはCDMA対応携帯機器向けアプリケーションのプラットフォーム「BREW」を発表した。発表の席には、KDDI代表取締役副社長の小野寺正氏も登場し、KDDIの取り組み予定に触れた。
米クアルコム執行副社長ポール・E・ジェイコブス博士 |
同社が発表したBREWは、Binary Runtime Environment for Wirelessの略。米国で普及が進んでいる無線通信規格、CDMAに対応する携帯電話でアプリケーションを実行するプラットフォーム。プログラミング言語はC、C++を使用。生成されたバイナリコードは100キロバイト未満と軽量で、ブラウザや、Javaなど他の言語で記述されたアプリケーションの実行も可能という。
「これまでワイヤレス・アプリケーションの最大の課題は開発者の作業負担にあった」と同社執行副社長ポール・E・ジェイコブス(Dr. Paul Jacobs)博士、BREWは開発者が熟知した開発環境を提供することにより、この問題を解決するという。「真の意味での使いやすいワイヤレス・インターネット時代が到来する」(ジェイコブス博士)。
Javaプラットフォームとの違いについて、ローエンドからハイエンドまで広範なアプリケーションに対応する点やダウンロードが高速に行える点などを強調した。
当面は、クアルコム製のチップセットのみで動作するが、将来は他社製チップでも動作するようサポートするという。同社は昨年、チップ部門を分社化した。BREWは本体での事業となる。
KDDI代表取締役副社長 小野寺正氏 |
同社では、Windows NT4.0/2000で実行できるBREW用の開発キット「BREW Software Development Kit」を2001年5月に公開し、開発者に無償提供する。開発されたアプリケーションは「TRUE BREW」として認定する制度を設ける。また、5億ドルの基金を準備し「クアルコム・ベンチャー・ファンド」を用意するなど、積極的にBREWプラットフォームで動作するアプリケーション開発を支援して行く。
現在、auブランドでcdmaOneを採用しているKDDIでは、「同社では今年中にも対応させる」(同社代表取締役小野寺氏)という。同社は今年の夏にJava搭載機種の対応を発表しているが、当面はBREW対応ではない。将来的には、BREW上でJavaVMが動く可能性もあるという。「EZWebとBREWの組み合わせでiモードに対抗する」と相変わらず好調なNTTドコモのiモードに対し巻き返しを図る意欲を見せた。
BREWに関しては、現在、米Verizon Wireless、米Leap Wireless、韓国KTF(Korea Telecom Freetel)、メキシコPegasoの4通信事業者がクアルコムと覚書を締結している。
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