ブロードビジョン、企業向けポータルで日本市場に挑む

2001/2/21

チェンCEO 同氏が前に立ち上げた「ゲイン・テクノロジー」では、後のシーベル創立者のトム・シーベル氏を発掘した

 日本ブロードビジョンは2月20日、同社初のイベント「The BROADVISION Day」を開催した。このイベントのために米国本社から社長、会長兼CEOのピーフォン・チェン(Pehong Chen)氏が来日し、新製品の発表と共に日本での展開予定を明らかにした。

 米ブロードビジョンが日本に進出したのは1996年。それまでの支社体制から日本法人を設立し、マーケティングや販売体制を強化を図ったのが昨年8月だ(2000年10月25日付け記事「ブロードビジョン、日本市場へ本格進出 」参照)。@ITのインタビュー(2000年12月13日付け記事「「BtoCのブロードビジョン」から「BtoBのブロードビジョン」へ」参照)で坂寄嗣俊社長は、2001年からが本格的な勝負と思っていると語っていた。いよいよ体制が整ったようだ。

 米ブロードビジョンのピーフォン・チェン氏は、米国を中心にインターネットバブルが崩壊し経済が減速状況にある中、同社は15四半期連続で成長中であることに触れた。同氏は今後も堅調な伸びを予想しているという。「企業のIT投資のうち3分の1はEC(電子商取引)関連といわれている。弊社の製品はまさにこの分野だからだ」(チェン氏)。

 EC関連の日本市場を米国より2年遅れと分析、2001年度は同社総売上の4%を、最終的には10〜15%を日本市場から得るという目標を立てているという。

 同社の右肩上がりの成長に大きく貢献してきたのは、「One-to-One」という言葉を一躍知らしめた代表製品「One-to-One Enterprise」。そして、昨年後半から新たな主役となったのは、新製品「InfoExchange Portal(IEP)」。この製品は現在、同社の全ソフトウェアの売上の53%を占めるという。

 新製品は、従業員向けに煩雑なWebサイト、サプライチェーンやデータベースなど各種アプリケーションを統合する企業内ポータルで、BtoE(Business to Employee)と言われる分野をカバーする。「One-to-One Enterprise」をベースに、従業員はポータルを通して、休暇届などの申請(Employee to Employer)、各種アプリケーションの利用(Employee to Business)、コラボレーション(Employee to Employee)、パーソナライゼーション(Employee to Life)大きく4つの作業が実行できる。

 アーキテクチャとしては、EAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)を持ち、各種のアプリケーションと結合するアダプターをひとまとめにして、IEPと接続したもの。

 同社代表取締役社長坂寄氏は新製品を「次世代ポータル」と位置付け、ベンダーに依存しない中立性で他社と差別化を図る。チェン氏の期待を受け、日本法人設立後第1号の新製品にかける坂寄社長の意気込みは高いようだ。

(編集局 末岡洋子)

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