アプライアンス・サーバで「シェア6割を狙う」とMS

2001/5/8

 マイクロソフトは5月7日、同社のWindows 2000をベースにした単機能サーバ(アプライアンス・サーバ)、「Microsoft Windows Powered Server Appliance」およびその開発ツールを発表し、この市場での同社の戦略を明らかにした。

7社のパートナー社とともに壇上に立った阿多社長(中央)からは、Linuxをライバル視する発言が見られた

 Webサーバなど、用途を絞った単機能サーバは、導入が容易で低価格であることからこのところ急激に広まりつつある。IDC japanでは、こうしたアプライアンス・サーバ市場は2003年には2000年の6.3倍の規模となるという成長予測を発表している。OSにはLinuxが用いられることが多く、マイクロソフトにとっては新規参入となる。同社ではまず、WebサーバとNAS(Network Attached Storage)の2分野に進出する。

 「アプライアンス・サーバのOSとしてのLinuxに関し調査を行った」という同社取締役社長 阿多親市氏は、珍しく、Linuxについて明確なコメントをした。同氏は、Linuxの問題点として「トランザクションの急増に柔軟に対応できない、運用管理ツールの未熟さ、サポートおよびサービスが不明確」の3点を挙げる。そして「信頼性・可用性の向上、導入・運用コストの削減、トランザクションの変化への柔軟な対応が可能」といった同社製品の優位性を述べた。

 Webサーバの「Microsoft Windows Powered Web Server Appliance」では、Windows 2000 ServerとIIS 5.0をベースに、スクリプティング言語のASP(Active Server Pages)、負荷分散機能のNLB(Network Load Balancing)、SSLなどの機能をサポートする。マルチプロセッサに対応し、同一ハードウェア環境下では、Linuxの1.3倍のパフォーマンスを実現するという。

参考出品されたデルのNASサーバ

 NASの「Microsoft Windows Powered Network Attached Storage」では、CIFS、NFS、Netware、Appleのファイルシステムに対応、OSが混在する環境での相互接続を実現する。また、35MBits/sの高速アクセスや動的システム構成が可能なうえ、分散ファイルシステムやディスク・クォータ(ユーザー単位でディスクの使用可能量を制限する)といった機能もサポートする。

 阿多社長は「(マイクロソフトにとっては)新規参入となるが、アプライアンスサーバは急成長の市場だ。6割のシェアを取ることができる」と自信のほどを見せている。

 同社では、Windows 2000 Serverをベースとしたアプライアンス・サーバ用OSを開発するツールとして「Server Appliance Kit 2.0 日本語版」を発表、パートナー社のWindows Powered Appliance開発を促進する。日本でのパートナーは合計16社で、コンパックやデル、IBMなどが製品を提供する予定だ。

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