Webサービスで攻勢をかけるIBM
2001/5/25
By Tim Wilson Monday, May 21, 2001, 12:08 PM ET. Internetweek
IBMは、企業間e-ビジネス環境を向上するため、主要なバックエンドソフトウェアの強化を進めている。
IBMが先週明らかにしたところによると、同社はRDBMS製品「DB2」および電子商取引ソフトウェア「WebSphere」の製品ラインで、複数の重要なBtoB標準を新たにサポートする。そのほかにも、Lotusメッセージング製品ラインとTivoli管理製品ライン用の新しいツールを発売するという。今四半期末までには、4つのラインすべてがJava 2 Enterprise Edition(J2EE)、Simple Object Access Protocol(SOAP)、Universal Description Discovery and Integration(UDDI)、そしてWeb Services Description Language(WSDL)などの標準をサポートするようになる。
IBMのソフトウェアビジネスを指揮する上級副社長のSteve Mills氏によると、Webサービスの背景には、企業各社がシステムの大幅な統合や変更を行うことなくWebプログラム間のトランザクションをすぐに実行できるようIBMのアプリケーションを再編する狙いがあるという。
一方のユーザーは同社の対応を歓迎しているようだ。一連の機能強化は、パートナーとカスタマーがリアルタイムで対話するために必要なダイナミックWeb機能の構築を助けてくれると期待を寄せている。
年商16億ドルの旅行情報プロバイダであるGalileoのインターネット/電子商取引担当上級副社長 David Near氏は、「たとえデータがIBMのレガシーアプリケーション上にあっても、われわれはカスタマーにWebからダイナミックにサービスにアクセスさせている。いまではカスタマーが自分の旅程表をWebで見て、目的地の天気といった情報もダイナミックに入手できるようになった」と語る。
これらの改善は、DB2、Lotus、Tivoli、およびWebSphereなどのIBM製ソフトウェアを運用するサイトに大きな影響を与えることになる。アナリストによると、業界標準の採用に向けたIBMの取り組みは、IBM以外のソフトウェアとのインタフェースの高速化にも役立つという。
AMR Researchのアナリスト、Peter Urban氏は、「IBM製品が他のベンダ製品とも対話できることを意味する」と語った。
IBMが強化を進めている製品ラインには「WebSphere Business Integrator」などがある。同製品は、MQSeriesメッセージングミドルウェアとSOAPメッセージング標準を使っている取引企業間のデータの流れやトランザクションを管理できるアプリケーションだ。
DB2ユーザーにはほかにも、WebアプリケーションがDB2に格納されたデータにアクセスできるようにする「DB2/XML Extender」の発売により、新しいWeb機能を獲得できる。
IBMのTivoli事業部は、パートナー間におけるWebコミュニケーションのパフォーマンスをモニタリングし、レスポンスタイムがあらかじめ設定した限界値を下回るとITスタッフに警告できる「Web Services Manager」を発表した。関係者によると、「SecureWay Policy Director」という新しいアプリケーションは、WebSphereデベロッパーがWebサービスアプリケーションにセキュリティポリシーを組み込めるようにしてくれるという。
IBMはLotusユーザー向けに、これまで別々だったWeb対応コラボレーションアプリケーション開発用のツールをパッケージしたデベロッパーキット、「Lotus Web Services Enablement Kit」を公開した。
Mills氏によれば、強化された製品はすべて第2四半期末までに出荷されるという。価格は使用するサーバと選択するオプションによって数百ドルから5万ドル以上までの幅がある。
[英文記事]
IBM Makes
Web Services Push
[関連リンク]
IBM
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