2001年は1.5倍、IT業界の未来は明るい? ECR調査

2001/6/8

 eビジネス専門の市場調査会社、イーシー リサーチ株式会社(以下ECR)は、2001年2月から4月に実施した「eビジネス企業アンケート」(国内企業6915社から有効回答1374社、調査方法:電話によるアンケート依頼、郵送・FAXおよびWebアンケートによる回収)の結果をもとに、1999年から2004年にかけての国内における企業のeビジネス関連情報化投資金額の実績および予測数値を発表した。

 それによると、2000年の国内企業におけるeビジネス関連情報化投資額の実績は、2兆8594億円。2001年の予想としては4兆2184億円で、前年比47.5%の成長が見込まれるとする。さらに2004年では8兆4609億円となり、2000年時点の約3倍の市場規模となるとしている。

 この調査ではeビジネスを電子商取引だけでなく、インターネットを使用した広告・宣伝、マーケティング、情報収集活動、ユーザーサポート、中間財調達など多様な企業活動と定義している。

 今回発表されたeビジネス関連情報化投資は、ソフトウェア関連投資とハードウェア関連投資に分けることができ、2000年にはソフトウェア関連投資が1兆3823億円、ハードウェア関連投資は1兆4771億円で、全eビジネス関連情報化投資額の55%をハードウェア関連投資が占める形となっている。これが2004年には、ソフトウェア関連投資は4兆4308億円、ハードウェア関連投資は4兆0301億円と見込まれ、ソフトウェア関連投資の投資規模が大きくなると見られている。

 産業別でみると、積極的なのは卸売業・小売業。卸売業では電子商取引進展により事業を拡大するために、小売業では顧客との直接の接点をいっそう強化するという点で、投資に積極的だとECRでは分析している。

 米国ではパソコン需要の一巡などにより、ハイテク産業に逆風が吹いているが、わが国においてはIT普及の遅れが、逆に現段階ではITへの積極策に結びついているともいえよう。ただし、ごく最近では景気後退がささやかれており、投資意欲減退のリスクも否定はできないというところだろう。

(編集局 鈴木崇)

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