動的パーソナライゼーションを実現するCRM、E.ピファニーから

2001/7/4

 CRMベンダの日本E.ピファニーは7月3日、新製品「E.piphany E.5 リアルタイム パーソナライゼーション プラットフォーム」の製品説明会を開催した。

 同社は2001年3月に設立された米CRMベンダ E.piphanyの日本法人(「CRMベンダーのE.ピファニー、日本市場に参入」参照)。今回同社が発表した新製品は、「E.Piphany E.5」ファミリの1つで、先に出荷を開始している同アナリティックプラットフォームに次いで2番目の日本語対応製品となる。

 新製品は、リアルタイムのマーケティング・エンジン。「ルールベース」「協調フィルタリング」「リアルタイム マイナー」の3種類のパーソナライズエンジンから構成される。

 これまでのマーケティング製品が静的データに基づいて分析を行っていたのに対し、同製品では動的にマーケティングを行い、結果を瞬時(0.2秒程度)に反映できる。Webでリアルタイム・パーソナライゼーション手法を用いた場合、クロスセルの受け入れ率は2.0%(導入前:1.0%)に、投資回収は5.1カ月といわれており、リアルタイムのパーソナライゼーションはCRMの中でも注目を浴びている技術だ。

 例えば、Webサイトへ顧客からアクセスがあったとき、データベースやデータウェアハウスなどから顧客のプロファイルを読み込み、顧客の属性や製品データなどから適していると思われるオファーを複数提示する。担当者は、このとき同時に提示される見込み指数(他の顧客はどのように反応したかに基づき可能性を割り出したもの)や、その他独自の基準から優先順位を設定し、実際に顧客に提示するオファーを得ることができる。その後、顧客の反応をトラッキングし、次のキャンペーンなどのマーケティング活動に活用できる。また、リアルタイムでシステムに顧客の行動や反応を自己学習させる自己学習機能も備えており、より適したオファーを割り出せるという。

 これ以外の特徴には、複数チャネルに対応(コールセンターやATM機)、短期での開発・導入の実現などがある。

 「“カスタマーエコノミー”時代のソフトウェアを提供する」と意欲を語った同社代表取締役社長 生駒芳樹氏は、引き続きパートナー戦略を進めていくことを強調した。現在、インプリメンテーションのパートナーが16社、プラットフォームでのパートナー社など、合計30社程度の企業と提携を結んでいるという。

 「E.piphany E.5 リアルタイム パーソナライゼーション プラットフォーム」はHP-UX、Solaris、Windows 2000の各OSに対応、すでに出荷が開始されている。

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E.ピファニーの発表資料

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