ますますインテリジェント化するデータ検索

2001/7/19
By Jade Boyd , InternetWeek Jul 16, 2001（9:18 AM）

　キーワード検索を実行すれば、どのサプライヤーやカスタマーに関するものでも、豊富な情報を掘り出せるだろう。ビジネス・マネージャの抱える問題は、この膨大な量の情報から必要なデータを探し出す時間やツールを見つけ出すことだ。

　この問題を解決しようと、コンピュータ・アソシエイツ（CA）では、ストラテジストやマネージャが社内およびWebベースのシステムに問い合わせを行えば、必要かつ適切な情報だけを取得できるようにするインテリジェントエージェントを自社の「BizWorks」e-ビジネス管理ソフトウェアに付加している。

　「BizWorks eBusiness Intelligence Agents」では、企業のマネージャがパラメータとWebの検索頻度の両方を定義できるようになる。返ってきたデータはユーザーの設定したビジネスルールをベースに評価され、ERP（Enterprise Resource Planning）や調達といった社内システムの内部で対応することができる。標準的なキーワード検索ツールと違い、BizWorksのインテリジェント検索エージェントは問われている質問の文脈を自然言語処理機能を使って解読してくれる。

　この新しいインテリジェンスツールの最初のユーザーの1社がMyers Industriesだ。同社はプラスチックやゴム製品の国際的なメーカーで、自動車の修理部品から植木鉢、さらには貯蔵容器など、コンシューマー製品と工業製品の両方を製造している。

　オハイオ州に本社を置き、6カ国25カ所に工場を持つ同社は、社内のさまざまな情報源からのデータを統合および分析するため、約18カ月前にBizWorksを使い始めた。データは、それぞれの事業部で利用されている3つのERPシステム、メインフレーム上で運用されているプロセス自動化ソフトウェア、さらには製造現場のマシンから収集されたものなどさまざまだ。

　BizWorksは、同社のプロセスの中から問題のある箇所を探してくれる。そのときベースとなるビジネスルールはあらかじめシステムの中に組み込まれている。さらに、高度な管理を可能にする。上級管理職はセキュアポータルにログインしてレポートを作成したり、社内全体のプロセス効率をチェックできるのだ。例えば、特定のアカウント向けに製造された製品群の誤差率に関するレポートの作成などが実現する。

　Myersの社内システム／情報マネージャ、Andrew J. Winer氏によれば、Myersでは見込み客の信用調査のために約6週間前からBizWorksのインテリジェント検索エージェントを使い始めたという。

　Winer氏によれば、「Myersはこのエージェントを使うことで社外のデータを社内のプロセス計画に組み込めるようになった」という。「これによって同社は戦略的に優位に立てるようになる」と、同氏は続ける。

　例えば、ある見込み客が特定の仕様で大量注文を考えているとする。このような場合、特別に機器の入れ替えなどの準備を行うことが多い。つまり、かなりの先行費用を背負い込むことになる。そのため、カスタム製品がほかには販売できる見込みがないことを考慮すると、カスタマーが契約の履行を怠るような場合、Myersが深刻な財務リスクを負うことになる。

　Myersは自己防衛のため、およそ500カ所のWebサイトやニュースグループを検索して、見込み客の財務の健全性に関する情報を提供してくれる可能性のある財務報告、法定書類、ニュース記事などの情報を集めるインテリジェントエージェントをBizWorks内でプログラミングした。

　CAによれば、BizWorksの「Business Intelligence Option」の価格は、サーバあたり約3万7500ドル。Winer氏によると、これまでのところMyersではBizWorksの出す検索結果によって生産工程の停止に追い込まれるようなことにはなっていないが、何らかの問題のある大口注文を1件でも見出せただけでも、同アプリケーションは採算が取れるかもしれないという。

　「だれも買ってくれないカスタム部品など抱え込みたくないからね」（Winer氏）

[英文記事]
Data Searches Get More Intelligent

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