[Tech・Ed 2001 Tokyo開催]
エンタープライス市場へさらなるコミットを示すMS
2001/8/29
阿多社長「決して逃げません」とエンタープライズ市場にかける意気込みを示した |
マイクロソフトの技術者向けテクニカル・カンファレンス「Microsoft Tech・Ed 2001 Tokyo」が8月28日、千葉・舞浜にて開幕した。米国本社はシアトルにある同社、同じくシアトルを本拠地とするメジャーリーグ球団マリナースのイチロー人気にあやかってか、登壇した米MSのスピーカーがイチローの背番号の入ったシャツを観客席にプレゼントするなどのパフォーマンスも見られ、初日から多いに盛りあがった。
Tech・Edは日本で1995年より開催されている、マイクロソフトの技術解説や最新動向などについてのカンファレンス。日本は、米国に次ぎ世界第2の規模で開催される。
オープニングスピーチを行った同社代表取締役社長 阿多親市氏は、このところのIT業界の不振に触れ、「その一方で、企業向けPCやサーバビジネスは堅調。社内リストラに合わせたシステム投資が行われている」と述べた。そして、日本では11月16日に発表が決定したWindows XPでは、「ブロードバンドがもたらす新しいPCの使い方を提示する」と、引き続きPC市場をけん引していく姿勢を見せた。
目下のターゲットであるエンタープライズ市場参入に関しては、ハードウェア、ソフトウェア、システム運営に積極的に対応し、「.NETを軸に、企業にとってFirst Tier(第一層)の会社となるよう努力していく」と意気込みを示した。
軽快なフットワークでステージを動き回ったマイケル・リッセ氏 |
続いて、米MS .NET Enterprise Serversジェネラルマネージャ マイケル・リッセ(Michael Risse)氏が登場し、エンタープライス環境での利用を想定した.NET製品群について、デモを交えて説明した。
「昨年来、エンタープライズにフォーカスしてきた」とリッセ氏は振り返る。5つの新製品を含む12のサーバ製品、CPUベースの価格設定、SAPをはじめとした大手のビジネス・ソフトウェアベンダとのアライアンスなど、これまでの同社の取り組みを挙げた。同社のエンタープライズ市場でのビジョンは「アジリティの実現」という。Webベースのソリューションによる短期間での開発、既存システムとの統合などを実現していくとした。
リッセ氏は、同社のサーバ製品群を紹介した。現在、同社では、「Application Center Server」「BizTalk Server」「Commerce Server」「Content Management Server」「Exchange Server」「Host Integration Server」「Internet Security and Accelaration Server」「Mobile Information Server」「Operations Manager」「SharePoint Portal Server」「SQL Server」を発表しており、これらのサーバ製品群で「従業員のエンパワー、カスタマとの接続、パートナーとの統合を実現する」という。BizTalk Serverを採用して、eマーケット・プレイスの決済、ファクタリング機能を構築した中央三井信託銀行の例などを挙げ、順調に顧客開拓が進んでいることをアピールした。
今後は、ソリューションへのフォーカス、サーバと他製品との統合、.NETとの親和性の3つをテーマに、製品開発を進めていく。また、Visual Studio .NETでは、.NET Frameworkとの統合、シームレスな.NETインターフェイス、統合された開発エクスペリエンスを実現するという。
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