I/Oを高速化する新技術、InfiniBand
2001/9/4
Friday, August 31, 2001, 2:21 PM ET. InternetWeek By
L. Scott Tillett
IBM、SASインスティチュートらのベンダは先週、サーバのCPUとI/O専用端末間のI/O機能をオフロードすることにより、サーバ間のトランザクション速度を高速化させる新技術、“InfiniBand”のデモを行った。また、この技術の普及を促進するための提携関係も発表された。
現在、コンピュータのI/Oの接続は、Peripheral Component Interconnect(PCI) I/O接続と呼ばれるバスアーキテクチャが主流。InfiniBandはこのPCIにとってかわる技術といわれている。
プロセッサの速度が向上するにつれ、現在のI/Oではその速度に追いつくことが難しいと言われている。ユーザーの中には、これが原因で、I/Oのボトルネック解消のためにインストールするサーバの台数を増やすという対策をとるところも多い。
「サーバのCPU使用量は、必要量をはるかに上回っている」とYankee Groupのアナリスト Jamie Gruener氏は指摘する。「I/Oに必要なサイクル数を減らすことがゴールだ」(Gruener氏)。
メリルリンチの相互接続性ラボのリサーチ・アナリスト Jim Berlino氏は、この新技術に期待を寄せる1人だ。メリルリンチでは、膨大な量のトランザクションが原因でI/Oボトルネックの問題に直面しており、InfiniBandがこの問題を解決してくれると見ている。「(InfiniBandは)I/Oの障害を除去し、サーバを解放してくれる」とBerlino氏。だが、Berlino氏は同時に、ベンダの実装に格差があることを案じてもいる。
InfiniBand用管理ソフトウェアのベンダLane15 Software 副社長 Ramon Acosta氏によれば、InfiniBandのI/O技術は、500Mbpsから6Gbpsまでのスループットをサポートすることになるという。現行のプロセッサのスループットは100Mbpsから10Gbpsといわれている。
先週開催されたインテルのIDFでは、IBMがInfiniBandで接続したDB2のデモを行った。DB2がInfiniBandのネットワーク上で動作するということは、サーバはデータベースの処理だけに使用されることを意味する。また、SASでは、分析ソフトウェア「WebHound」をInfiniBandネットワーク上で動作させてみせた。
また、AMD、BMCソフトウェア、InfiniCon Systems、InfiniSwitch、Lane15 Software、日商エレクトロニクス、Prisa Networks、QLogicの8社は、InfiniBandの相互接続の標準策定を目的としたアライアンスを発表した。さらに、InfiniBand対応スイッチ・メーカーのInfiniSwitchは、半導体メーカーBandercomの製品を自社のスイッチ技術に用いることで、Bandercomと同意に達したと発表している。
Yankee GroupのGruener氏によれば、最初のInfiniBand製品は、サーバにプラグ・インしてI/Oをオフロードできるアダプタ・カードで、今年末に登場する予定という。その後、PCIとInfiniBandの両方をサポートするハイブリッド型サーバが登場し、最終的には、純粋なInfiniBandサーバやInfiniBandネットワーク・スイッチが出てくることになる。
「IT管理者は、アクセスの多いデータベースをエンド・ユーザのアクセスに応じるためキャッシュしている。InfiniBandは、このように重要なデータを扱うIT管理者を楽にしてくれるはずだ」とIBM データマネジメント部門マーケティング・ディレクタ Jeff Jones氏は言う。InfiniBandにより、サーバがストレージからデータを呼び出す速度は各段に向上し、IT管理者の抱える“キャッシュマネジメント”という課題はなくなるだろうというのが同氏の予測だ。
機器メーカーのNordsonでは、現在のところ、I/0のボトルネックは問題ではないという。だが、同社ディレクター Kevin Beattie氏は、同社がデータウェアハウスとビジネス・インテリジェンスにフォーカスすれば、速度はより重要な課題となるだろうとしている。
[英文記事]
New Technology
To Speed I/O
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