コンテンツをスピードアップするダイナミックキャッシング機能

2001/9/19
By Rutrell Yasin, InternetWeek Sep 14, 2001(12:33 PM)

 企業各社は、台頭しつつあるダイナミックキャッシング製品に期待を寄せている。同技術がWebのパフォーマンスを改善し、帯域幅の使用量を抑える一方で、顧客、社員、およびパートナーへのコンテンツ配信の高速化を実現するといわれているからだ。ダイナミックキャッシング製品は、ユーザーがWebサイトを訪れるたびにデータを転送するのではなく、実際に変わる部分に限ってWebページを更新することで、ITマネージャの時間とコストを削減してくれる。

 ダイナミックキャッシング・ソフトウェア・ベンダであるFineGround Networksは先週、グラフィックやスタイルシートといった組み込みオブジェクトの配信を高速化する新機能を搭載した「Condenser」ソフトウェアを発表した。

 家電製品メーカーのWhirlpoolでは現在、同製品の評価を進めている。これはWhirlpoolが将来的に、遠隔地のエンジニアリングチームが社内ポータルを使ってプロジェクトに協力できるため、チャットルームやストリーミングビデオなどの機能を組み込みたいと考えているためだ。

 WhirlpoolのITマネージャ,James Wacko氏によると、これらの機能を実現すると、帯域幅の使用量とネットワークのコストにかなり大きな影響を与える可能性があるという。

 Wacko氏は、「ITのコストは必要悪だとみなされている」とし、IT部門はその認識を受け、「イントラネットとインターネット全体でトラフィックを圧縮して、ネットワークコストを低減する」方法を模索していると語る。

 Whirlpoolでは、NetCacheのキャッシング製品を使ってスタティックなページを圧縮している。多数の複雑な組み込みファイルをやりとりする企業では,キャッシュをCondenserにリンクすれば、より複雑なファイルはCondenserが処理してくれる。

 Condenserは、コンテンツやWebサーバと社内ファイアウォールの間で動作する。Webサイト上の情報が変わると、変化したデータが圧縮されてCondenserへと送られる。FineGroundの社長兼CEO Nat Kausik氏によると、エンドユーザーがこのファイルをリクエストすると、このリクエストはオリジナルのコンテンツサーバの方ではなくCondenserへ行くという。

 オンライン求人会社 Monster.comでは、ページの変更された部分だけを返すコンテンツアクセラレータ機能に注目している。同社のプロダクションエンジニアのMark Broehm氏によれば、コンテンツアクセラレータにリクエストを転送することで、帯域幅の使用量を40〜90%減らすことができるという。Monster.comではCondenserのほかにも複数のコンテンツアクセラレーション製品の評価を進めている。

 ハードウェアベースの製品を提供するベンダ、専用のネットワークカードやXMLプラグイン、もしくはCondenserのようにソフトウェアベースの製品を提供するベンダなど、各社はこの問題に対してそれぞれ異なるアプローチを取っている。だが、Monsterのニーズには、どのようなタイプのダイナミックキャッシング製品が適しているのかは、まだ明らかではないとBroehm氏はいう。

 この分野のベンダには、ほかにも「EdgeSuite」製品でダイナミックキャッシング市場に参入したアカマイ・テクノロジーズや新興ベンダのSpiderCacheなどがある。

 SSLアクセラレーション機能を内蔵するCondenser 3.0には、帯域幅の使用量や節約量をビジュアル化してITマネージャに提供する新しいWebパフォーマンスレポート機能も搭載されている。Condenser 3.0は、LinuxとSun Solarisの両プラットフォームに対応し、価格は5万ドルからとなっている。

[英文記事]
Dynamic Caching Gear Speeds Content

[関連リンク]
FineGround Networks
アカマイ
SpiderCache

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