20年以上の蜜月関係は今後も!? NECとMSが包括的提携を発表

2001/10/17

 NECおよびマイクロソフト、米マイクロソフトの3社は10月16日、製品開発からSIサポート、インターネット・サービス分野までをカバーする包括的な提携を行っていくことで合意したと発表した。発表会場には、NEC 代表取締役社長の西垣浩司氏、マイクロソフト 代表取締役社長の阿多親市氏のほか、米マイクロソフト 会長兼チーフソフトウェアアーキテクト ビル・ゲイツ氏も姿を現した。同時多発テロの影響により、米国からの要人来日のキャンセルが続く中、IT業界のキーパーソンともいえるゲイツ氏の登場ということもあり、会場には多数の報道記者が押しかけた。

握手を交わす、ゲイツ氏と西垣氏。ゲイツ氏は記者からの「テロによる今後の同社戦略への影響は?」との質問に、「テロの直後、NYのジュリアーニ市長に『10月25日にNYで予定しているWindows XP発売イベントを中止すべきか?』と尋ねたところ、『まったく問題はない』と力強い返事が返ってきた。このような状況だからこそ、企業活動を後退させてはいけないのだと思う」と、事業に変わりがないことを強調した

 冒頭の挨拶でゲイツ氏は、NECのPC-8001登場から始まった両社の関係の歴史を振り返り、この関係が今後も続いていくことを強調した。今回の提携においては、ハードウェア技術やSI、メインフレームなどの高可用性システムで実績をもつNECと、ソフトウェア技術に強みを持つマイクロソフトが、それぞれの技術を組み合わせることにより、より強力なソリューション提供を可能にすることを目標に挙げる。提携内容の詳細は下記のとおり。

●高性能/高可用性システム開発

    ・NECの次世代IA-64サーバ「AsAmA(“アサマ”:開発コード名)」とマイクロソフトの次期主力サーバ「Windows .NET Server」の64ビット対応版を組み合わせた共同検証作業

・NECが2001年春に商品化を予定している省スペース/省電力サーバ「ブレードサーバ」(3Uラック・サイズに6サーバを物理的に内蔵可能)において、マイクロソフトのアプライアンス・サーバ製品やアプリケーション・サーバ製品を組み合わせた共同検証作業

・NECのストレージ製品「iStorage」をIP-SANに展開する共同検証作業のほか、NASの高性能化/信頼性の向上、次世代ストレージへの取り組み強化

・NEC、マイクロソフトを含む全6社が参加する「フォールト・トレラント・サーバ協議会」での成果をPCサーバに反映。ラインナップ拡充を目指す

●SI/サポート

・Windows Server/.NET Enterprise ServerをベースとしたSI/サポート事業における提携を強化。NEC、NECシステムテクノロジー、NECソフトの3社を合わせ、今後1年間で300名への人員強化。システム案件のリファレンス・モデルを確立、ノウハウ/スキルの水平展開を目指す

●インターネット・サービス

・NEC内のデータセンターを活用した、Windows .NETベースでのハウジング・ホスティング・サービスの提供

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