エンタープライズでの足場を固めるマイクロソフト

2001/10/31

 マクロソフトと電通国際情報サービス(ISID)は10月30日、金融向けソリューションの提供に関し業務提携を結んだことを発表した。

 両社はすでに、アイワイバンク銀行のインターネットバンキングシステム(年内開始予定)を手がけている。今回正式に提携を結ぶことにより、自由化や企業の吸収・合併などが進み市場が拡大すると見られる金融市場において、より戦略的に市場に参入していくことを狙う。

 提携の内容は、ISIDの決済パッケージ「S.T.P.Engine」、インターネット/モバイル・バンキング機能「Edify」など金融向けソリューションをマイクロソフトの「Windows 2000」、「.NET Enterprise Servers」などのエンタープライズ向け製品に対応させ、共同でマーケティングや販売活動、SI事業を行うというもの。

 具体的には、ISID内での「金融.NET技術グループ」および「金融.NET技術ソリューションセンター」の設置し、動作検証やソリューション開発を行う。マイクロソフトは社内にISID支援専任技術窓口を設置し、技術、開発、技術者教育などを支援する。新規ソリューション開発には、XMLを利用したWebサービスも視野に入れているという。

 マイクロソフトは近年、エンタープライズ分野での進出およびシェアの拡大を図っており、積極的なパートナー戦略を取っている。今回の提携もその一環となる。これには、来るべきWebサービス時代で予想される、プラットフォーム争いへの準備が念頭にある。.NET Enterprise Serversや「BizTalk Server 2000」をソリューションとセットで提供することにより、本来UNIXが用いられることが多かったエンタープライズ市場で、優位に立とうというものだ。

 同社 代表取締役社長 阿多親市氏は、「.NETを金融に拡大させるためには、高いスキルを持つSIとの連携が不可欠だった」とこの提携の背景を語った。電通国際情報サービス 代表取締役社長 瀧浪壽太郎氏は、ミッションクリティカル分野でのWindows NT/2000の導入が増えていることに触れ、「ニーズにこたえるだけではなく、シーズも発掘していきたい」と述べた。

(編集局 末岡洋子)

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マイクロソフトの発表資料
電通国際情報サービスの発表資料

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