e-Japanに合わせ全国の中小企業にIT化推進プラン、MS
2001/10/24
マイクロソフトは10月23日、中小企業を対象に、ITの啓蒙活動から製品提供までを展開するプログラム「マイクロソフト全国IT推進計画」を発表した。
同プログラムは、「e-Japan構想」を中心にIT立国を目指す国全体の取り組みに同社も協力するというもの。「特にIT化の遅れが指摘される中小〜中堅規模事業所のIT化を推進、地域や年齢によるITリテラシーの格差(デジタルデバイド)を解消する」(同社代表取締役社長 阿多親市氏)という。
「全国100社以上の企業担当者と合って話をした」という同社 IT推進事業部長 西村哲也氏は、ITリテラシーの向上、導入支援などの取り組みの項目を挙げた。その実現のため、各組織のIT化の段階に応じ、以下の3種類のビジネスモデルを用意した。
- IT基盤構築モデル(デスクトップPC、インターネット)
- 情報共有モデル(LAN、イントラネット、グループウェア)
- データ統合・活用モデル(データウェアハウス、OLAP、ナレッジマネジメントなど)
同社では、これらのモデルを実行するにあたり、サービス提供パートナー(「IT推進全国会メンバー」)として172社と、製品提供パートナー(「IT推進全国会協賛パートナー」)として22社とパートナーを組んだ。これらのパートナー企業は今後も増やして行く予定で、全国250事業所体制にする予定だという。
これら市場開拓のほか、啓蒙活動として、全国で「マイクロソフトIT実践塾」も開催する。今後2年で中小規模企業の1万人の経営者、4万人の実務担当者を対象に提供するトレーニングで、TKCと協力して行う。経営者対象の「経営者向け啓蒙セミナー」は無償、実務担当者向け「実務者向け実践セミナー」は有償(1コース7000円)。
製品としては、「Windows 2000 Server」や「Exchange Server」「SQL Server」を推奨するとのことで、中小規模およびSOHO向けサーバである“SBS”こと「Small Business Server」)の名前は挙がらなかった。
同社では、同プログラムの潜在対象企業が全国に100万企業、SOHOも入れると600万企業あると見ている。同プログラム運営により、どの製品やサービスに需要があるのか、どの用途で使われているのかなどの情報の収集にも期待しているという。
中小企業のIT導入を促進するプログラムはこれが初めてではない。同社も過去に何度か同様の計画を発表したことがあるし、他社も試みてきたことだ。今回のプログラム成功の勝算について聞かれると、「過去のものとは違う、流れを立ち切った」と西村氏。自身が全国を回って経営者に会い、フィードバックを得て練ったことを強調する。今回は、パートナー企業が収益を上げられる仕組みであることを違いに挙げるが、“囲い込み”に成功するかどうかはまだ未知数だ。
(編集局 末岡洋子)
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