[Interview]
「メッセージング市場はまだまだ成長する」とミラポイント
2001/12/12
1990年代後半からのインターネットの爆発的普及を支えたのは、Webと電子メールの存在である。中でも電子メールは、今日もインターネット上のアプリケーションの主役の1つであり、iモードなどのワイヤレス通信など、現在も利用者のすそ野を広げ続けている。成長を続けるメッセージング市場において、この分野にフォーカスした製品を提供するメーカーがミラポイントだ。
ミラポイントは、メッセージング機能に特化したアプライアンス製品を提供する専業メーカーとして、1997年に設立された(日本法人のミラポイントジャパンは2000年4月設立)。メッセージ・ストアやクライアント(サーバ)とのアクセス機能を提供するMessage Serverと、Message Server群を統括し管理機能を提供するMessage Directorなどが主な製品である。特徴としては、ユーザーの規模や成長に応じて柔軟に構成の変更や追加が可能など、スケーラビリティが高い点が挙げられる。同社 プロダクトマーケティング シニアマネージャー ジェフ・ジェロメル(Jeff Geromel)氏に、同社の製品戦略やメッセージング市場の今後の展望について話を聞いた。
――メッセージング市場の今後の展望は?
ジェロメル氏 メッセージング市場はまだまだ成長を続ける。今後は、現在の“電子メールといえばPC”という状態から、携帯などのワイヤレスを使ったものまで広がっていくだろう。日本のiモードがいい例だ。ヨーロッパでも、SMS(Short Message Service:携帯同士または携帯対インターネットの間で数百字程度の文字メッセージ交換が可能なサービス)が人気を集めている。この動きがさらに拡大し、よりリッチなメッセージのやり取りを可能にするEMS(Enhanced Messaging Service)やMMS(Multimedia Messaging Service)の利用という方向に進むことになるだろう。
ミラポイントのメッセージング製品は、基本となるPOP/IMAP以外にもHTML(Webメールなど)/WAP/iモード/XMLからアクセス手段を提供しており、好きなときに好きなデバイスからデータを取り出せる環境を実現するものだ。
米ミラポイント プロダクトマーケティング シニアマネージャー ジェフ・ジェロメル氏 |
――メッセージング・サービスとしてアプライアンス機器を利用するメリットは?
ジェロメル氏 ハードウェアとソフトウェアが一体で提供されることで、展開が容易になるメリットがある。簡単な管理機能や、企業の成長に合わせて容易に拡張が可能な点など、最終的にTCOの削減に貢献する。動作速度の面でも、メッセージングに特化した専用OSを開発するなど、ユーザーに高速アクセス環境を提供している。『Specmail』というメッセージ・サービスのパフォーマンスを測定する指標があるが、弊社の製品はここで高い評価を受けている。
――日本での製品展開に当たって、どのような要望が挙がってきたのか?
ジェロメル氏 日本では、大学関係やサービス・プロバイダを中心にパートナーの協力を得てマーケティング活動を行っている。すでに導入済みのユーザーからは、管理画面のUI(ユーザー・インターフェイス)の改良など、いくつかの要望が挙がってきたが、中でもiモードへの対応などの機能追加に関するものに期待が大きかった。そこで、日本市場向けに『i-mode Direct』というiモード対応アドオン・モジュールを開発し、10月より提供を開始した。今後、日本市場向け製品には、これらの機能を組み込んで出荷を行っていく。
――最近、ウイルス・メールやスパム・メールが大きな問題となっているが、どのような対策が有効だと考えるか?
ジェロメル氏 メールを一度中央に集約し、一元的に管理者のところで監視する方法が効果的だ。専用のゲートウェイを用意するのも手だが、Message Director/Message Serverであれば、AntiVirusやAntiSpam機能が組み込まれているため、すべてを統合して管理できるメリットがある。
(編集局 鈴木淳也)
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