XMLがどこまで.Netへのアップグレードを加速できるか
2001/12/19
November 26, 2001, InternetWeek,
By MITCH WAGNER
米マイクロソフトが来年リリースするWindows .Net Serverプラットフォームは、Windows 2000以来初めての本格的なアップグレードとなる。だが、Windows NTより高い信頼性とセキュリティという特徴で、ITマネージャに即座にメリットを提供したWindows 2000とは異なり、Windows .Net OSにアップグレードする理由は、すぐには明確に見えてきそうにない。
Windows .Netへアップグレードの可能性が最も高いと思われるのは、マイクロソフトの.Net Webサービスに期待を寄せる企業だろう。Windows .NetはWindows XPのサーバ版であり、先月リリースされたクライアントOS同様、Windows .Net ServerファミリもWebサービスとXMLサポートを搭載することになる。このWindows .Netのサードベータは米国で11月にリリースされている。
Windows .Netには、Webサービス・アプリケーション開発のための基本インフラとなる.Net Frameworkが搭載される。マイクロソフトのこれまでのOSでアドオンとして提供されてきたXMLが、Windows .Netではネイティブサポートされる。
.Net Frameworkは、Windowsのほかの各バージョンに追加する独立製品として販売される。だが、米Illuminataのアナリスト、Jonathan Eunice氏によると、「.Net FrameworkがWindows .Net OSに搭載されれば、.Netアプリケーションが一段と普及するだろう」という。Windows .Netが標準のWindowsサーバプラットフォームになれば、デベロッパはこの存在を仮定してWindows用アプリケーションを開発できるようになるからだ。
また、XMLのネイティブサポートにより、すべてのWindows APIやCOM+コンポーネントがXMLから見えるようになる。これは、それぞれが同じXML標準に準拠している限り、インターネット上にあるマイクロソフト以外のプラットフォームで動作するWebサービスがWindowsと互換性を持つようになることを意味する。しかし、複数存在するXMLの実装がこのような整合性を持つかどうかは明らかではない。
米マイクロソフトの.Net Framework プロダクトマネージャ、Tony Goodhew氏によると、Windows APIやCOM+を使って開発するよりXMLを使った方が、開発時間が短縮されるため、デベロッパの生産性が高まるという。
だが、多くの企業は現在、出荷開始から2年近くが経過するWindows 2000の導入途中で、Windows .Netを導入できるような状況にはない。また、経済の低迷によりITの予算が底をつき、Windows .Netへのアップグレードに予算を確保することも難しくなっている。
米IlluminataのEunice氏も、「業界がこのような状況にある中、投資を積極的に行う意欲はかつてほど感じられない」と語っている。
国際物流/倉庫/流通管理の会社である独Danzas AEIのIT担当上級副社長、John Luludis氏も同意する。しかし、マイクロソフトがWindows NTに対するサポートを段階的に廃止へと持っていく計画であるため、同社では、約150台のサーバで運用しているWindows 2000およびNTの後継としてWindows .Netを導入すべく、調査を約6カ月以内に実施する計画だ。
Windows .Net Serverには、開発やフロントエンドホスティング用となるローエンドの「.Net Web Server」、部門レベル用の「.Net Standard Server」、業務ラインおよび電子商取引アプリケーション用の「.Net Enterprise Server」、そして大規模データベース、ERP、およびトランザクション指向のアプリケーション用となる「.Net Datacenter Server」の4種類のバージョンが用意される。
[英文記事]
Native
XML May Drive .Net OS Upgrades
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