CTI、次の課題はデータの一元化

2001/12/27

 CTIおよびCRM関連の専門誌を発行しているリックテレコムは、日本国内におけるコールセンターに関する調査を実施した。それによると、CTI導入率は60%と過半数を上回ったものの、管理体制などの問題点も浮き彫りになった。

 今回、リックテレコムは、コールセンターをインハウス(自社内)で運営している900社を対象に、コールセンターに関しての基礎データ、導入しているシステム、運用体系などの調査をアンケート形式で行った。うち226社から回答を得られた。

 調査結果によると、コールセンターを自社で運営する企業は銀行、保険、証券といった金融業が30%と多数を占めた。次いで多かったのが通信で、11%となった。設置目的は「顧客満足度の向上」が41%で最も多く、「顧客サポート業務の効率化」(31%)、「チャネル拡充による売上向上」(19%)となっている。

 導入システムに関しては、電話、電子メール、Web、FAXを統合するマルチチャネル統合システムが、導入済み・導入予定ともに首位となった。対応チャネルとして、電子メールの重要性を挙げる企業が多く、すでに電子メール対応業務を実施している企業は50%となっている。電子メール自動処理システムに関しては、導入している企業は16社と全回答社のうちの7.1%にとどまった。だが、各チャネル間でデータが一元化されている企業は少なく、データの分析・活用と併せて、今後の課題とリックテレコムでは見ている。

 運用に関しては、オペレータの勤務体系、指導、稼働率、そして監視体制、平均応答時間、サービスレベルの有無などについて調査した。同社では、オペレータの90%がパートタイマーなどの非正社員であるにもかかわらず、指導を定期的に行っているケースが20%と少ないことに触れ、管理体制の整備が急がれるとしている。ちなみに、コールセンターの座席数は10〜30席が最も多く(27%)、50席未満が過半数を占めた。日本のコールセンターは、米国のように大規模ではなく、中小規模が主流のようだ。

 この調査の詳細については、12月20日発売の「コンピュータテレフォニー」(リックテレコム発刊)に掲載されている。

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リックテレコム

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