シマンテックが小差でトップに、BCN Award
2002/1/26
奥田社長 BCN Awardにかける思いを箱根駅伝の発祥に重ねる。「“日本のマラソンのレベルを高めたい”と1920年に金栗四三氏が開始したのが箱根駅伝。IT業界での日本の遅れを取り戻すのに(BCN Awardが)役立てば」 |
コンピュータ・ニュース社は「BCN Award 2002」を発表した。この賞は、同社が1年間集計した東京・名古屋・大阪の大手販売店のPOSデータをランキングとして毎年発表しているもの。今年の目玉は、ソフトウェア部門に新設された「セキュリティソフト部門」となった。
BCN Award 2002は、2001年1月1日から同年12月31日までの大手販売店13社575店舗のPOSデータを集計し、66カテゴリに分類して、販売台数第1位のベンダを選出・表彰するもの。IT産業の成長促進を目的に、同社が実売台数に基づく賞として3年前に創設した。電子情報技術産業協会、日本コンピュータシステム販売店協会など5団体からの後援を受けている。
30品目からなるソフト部門で注目されるのは、新設の「セキュリティソフト部門」。シェアは、シマンテックが44.4%、トレンドマイクロが41.3%とわずかな差でシマンテックがトップの座に就いた。昨年はNIMDAなどのコンピュータウイルスが次々と登場しアンチ・ウイルスソフトへの関心が高まったが、特に9月11日の米テロ事件後の売り上げの伸びはすざましかったという。「世界情勢がソフトウェアの売り上げに影響を与える時代になったということだろうか」と、同社 代表取締役社長 奥田喜久男氏は感想を述べている。
ハード部門で伸びたのは「携帯情報端末部門」や「デジタルカメラ部門」。携帯情報端末(PDA)では、前年トップのシャープが2位に転落、トップは「CLIE」のソニーとなった。デジカメは昨年に引き続き富士写真フィルムが21.7%で1位の座をキープした。
奥田社長は総括として、PC業界も不況の波を受けていることに触れた。同社がデータを集計している販売店の1つであるスタンバイが2001年10月末に閉店、T-ZONEを展開するCSKエレクトロニクスによるT-ZONEの一部店舗閉鎖など、PC販売店も苦戦を強いられているところが多く、「厳しい状態だ」(奥田社長)。今後、売り上げに占める割合が増加すると考えられる、インターネット経由での直販については、「現在のところ大きな影響にはなっていない」という。しかし、将来的にはタイミングを見て公開していくという。
コンピュータ・ニュース社では、2月1日に都内で「BCN Award 2002」の授賞式を開催し、各部門の受賞者を表彰することになっている。
(編集局 末岡洋子)
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コンピュータ・ニュース社の発表資料
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