匿名・指し値非公開がeマーケットプレイスの課題解決となるか?

2002/1/30

 エヌピーシーシステムドットコムは1月29日、eマーケットプレイスのエンジン「DCA Etnerprise Edition Ver1.0」(DCA)を発表した。売り手・買い手、両者が指し値非公開、匿名方式で入札を行うもので、入札価格が一致しなくても取引を成立させるさせることが可能という。

 DCAは、eマーケットプレイスに参加する売り手と買い手が非公開の指し値方式で売買価格を指定し、eマーケットプレイス運営者が柔軟にマッチングを行う仕組みを持つ。運営者は、場合によっては買い手が指定したよりも低い値のついた商品を提供することで販売差益を得ることも可能。これと取引成約時の手数料とを組み合わせて、収益をマネジメントできるため、これまで問題とされてきたeマーケットプレイスの維持管理や運営費を得ることができるという。また、参加者を匿名とすることで、eマーケットプレイスへの参入障壁も少なくなり、取引成約率も高いことから、参加企業数が少ない、取引の流動性が少ないといったこれまでeマーケットプレイスが抱えてきた課題も解決できるとしている。

 運営者は、「差益優先」「補てんなし約定数優先」「補てんあり約定数優先」からマッチングをシミュレーションすることができる。また、数量の混在、分割約定、ボリュームディスカウントなどの機能もある。入札情報はXMLフォーマットで保管され、Webサービスにも対応することから、予審、決済、物流などといった他システムとの連携も可能。DCA自体はJ2EEをベースとしており、J2EE準拠の各種アプリケーションサーバに対応する。

 今後、同製品をベースにデータマイニング機能や指し値調整機能、インデックスチャートなどオプション機能の提供も予定している。

 同社では、n対nや1対nのeマーケットプレイスのほか、調達・購買サイトなどでの応用を想定しており、初年度18社の導入を目指す。すでに食材のBtoBサイトを運営するインフォマートが同製品を採用することが決定しているという。販売はASP方式をとり、「ライセンス・イニシャルFee」が1000万円、サーバ保守・運用費の「ランニングFee」が月額100万円から。

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エヌピーシーシステム

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