[NET&COM 2002]
10GbEを推進するシスコ、エクストリーム、SOAPによるPKI
2002/2/8
千葉・幕張メッセで2月8日まで、「NET&COM 2002」(主催:日経BP社)が開催中だ。今年のテーマは“ブロードバンド時代のソリューションに挑む”、システムを支えるネットワークから、ECやCRMなどのアプリケーションまで、国内外283社によるデモンストレーションや製品の展示が行われている。10回目を迎える同イベントの会場の模様をレポートする。
シスコ、エクストリームの10GbEソリューション
シスコは10GbEモジュールを使ったデモを実演していた |
ネットワーク関連の会場で人気を二分したのがルータ/スイッチベンダのシスコシステムズとエクストリーム ネットワークスだ。両社とも10Gbpsに対応したイーサネットの新規格、10GbEの製品を展開。キャンパス規模やメトロポリタン(都市)規模といったエリアをサポートするイーサネットのソリューションをアピールした。
シスコは2種類の10GbEモジュールを展示。「10GBASE-LRモジュール」は、伝送距離2m〜10KmをサポートするIEEE 802.3aeドラフト準拠。「10GBASE-EX4モジュール」は、伝送距離10〜50Kmをサポートする。IEEE 802.3aeは3月をメドに正式な標準規格として策定される予定。シスコでは、こうした広域をカバーする大容量のイーサネットを使い、データセンターやクリティカルな業務のディザスタ(災害)・リカバリセンターとの接続や、キャンパスネットワーク、ISPのバックボーンなどを提唱している。
一方のエクストリームは、メトロポリタン・ネットワーク提唱の先駆けとして10GbEを推進してきた。同社は10GbEとEoMPLS(Ethernet Over MPLS)を使い、メトロポリタン・ネットワーク(MAN)間を接続したソリューションを例示。EoMPLSとは、MPLSで構築したVLAN上にイーサネットのフレームを乗せる技術。これを使うと、例えば東京や大阪といった離れた場所を結んだVLANが、IPレイヤだけでなくイーサネットのレイヤでも同一ネットワーク上にあるように見せることができる。
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アンチ・ウイルスだけではないセキュリティゾーン
セキュリティベンダのブースのある一帯は、今回最もにぎわっていたといえる。CodeRedやNIMDAなどのワームやウイルスの蔓延により、この1年で企業におけるセキュリティの関心が急激に高まったことを印象付けた。
その結果、「企業はウイルス対策ソフト、ファイアウォールなどの対策を取ってきたが、それだけではセキュリティ対策は万全ではない」と出展社の一社、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ マーケティング・マネージャー 木村美樹氏は言う。以前までは、外部からの攻撃に対してのみ脅威と思われていたが、実は企業内からの攻撃も見逃せない。そのため今後は、IDS、VPN、QoSなどといったセキュリティに関するシステム全体を管理するソリューションが重要視されることになりそうだ。
沖電気の“セキュリティ・アプライアンスサーバ” |
そんな中、沖電気工業は、“セキュリティ・アプライアンスサーバ”として、電子署名に関連する各機能を搭載したサーバを参考出展していた。Webアプリケーション・サーバの下に設置することで、SOAPプロトコルを用いWebサービス形式で、鍵の管理、公開鍵証明書の管理、認証局への接続などの電子署名機能を提供する。OSを問わない上、アプリケーションごとに電子署名機能をプログラムする必要がない。また、USBキー、セキュリティ機能付きのMOなど、物理面でも安全対策を施している。
同社 システムソリューションカンパニー 情報技術研究開発センタ 技術開発部 八田晃一氏によると、現在のところ、製品化の具体的な予定はないが、市場動向を見て対応していくという。PKIは難しいとされることが多いが、このような製品が登場すると、普及に弾みがつきそうだ。
(編集局 新野淳一、近藤孝一、末岡洋子)
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