3D CADの普及を狙い、think3が日本法人を設立

2002/2/14

米think3のコステロCEO

 CADなどコンピュータによる機械設計支援ソフトウェアや設計データ管理(PDM)ソフトウェアのベンダである米think3は2月13日、日本法人を設立し、本格的に日本市場で事業展開を図ると発表した。今年3月に設立予定の日本法人の代表取締役社長には、現在米think3のVice President of Japan Operationの川口亨氏が就任する。

 現在、製造業における機械設計では、2Dによる設計が主流。特に、バブル崩壊後の1990年代、日本ではCADへの投資が減少し、同分野における先進技術の導入は欧米より遅れているという。同社会長兼CEO ジョセフ B. コステロ(Joseph B. Costello)氏は、「Mass 3D革命を実現する」として、安価で使いやすい3D設計ツールを普及させるという同社のミッションを語った。

 同氏によると、3D設計ツールには、現実に近い優れた表現力、効率向上などの特徴があるという。同社では、3DのCAD製品「thinkdesign」で、設計の上流工程である意匠設計と詳細設計をサポート、大規模アセンブリを可能にした。さらに、今年前半にリリース予定の同製品のバージョン8では、データ管理環境も実現し、より広範な市場にアプローチできるという。

日本法人の社長に就任する川口氏

 日本市場に本格進出にあたっての方針は、積極的なローカリゼーション。製品およびマニュアルの完全日本語化のほか、セールスやマーケティングなどの戦略立案を日本人スタッフで行う。特に製品の日本語化に関しては、ソースコードを基に独自開発を日本で行う計画もあるという。

 販売方式は、ライセンス料なしの年間契約(サブスクリプション)と、従来通りの永久ライセンス(ライセンス買い取り)方式を用意する。これまで日本での販売代理店だったトヨタケーラムとの関係も継続する。日本法人の目標として、初年度3.5億円程度の売り上げを目指す。

 米think3は、1979年イタリアに設立されたCad.Labを前身とし、1998年に米国に移転した企業。ユーザー企業は、フィアットなど自動車やコンシューマ・エレクトロニクスからアレッシなどのホームアクセサリまで、世界8000社以上という。

(編集局 末岡洋子)

 

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