アプリケーションサーバへのフォーカスを再構築するオラクル
2002/4/16
By Rob Wright, VARBusiness ,
3:01 PM EST Thurs., Apr. 11, 2002
アプリケーションサーバ市場における、BEAシステムズやIBMのうしろでは満足できないオラクルは、同社のアプリケーションサーバ「Oracle 9i Application Server」の次期バージョンで、新たなチャネル戦略をとり、アナリストのレポートを最大限に活用するという。
米オラクルで、9iASの開発部門シニア・バイスプレジデントを務めるThomas Kurian氏は、オラクルは今後、さらなる人と資金の投資を行い、アプリケーションサーバ事業を増強していくという。ソフトウェア業界では世界第2位のオラクルは、これまでもこの市場でそれなりの事業活動を行っているが、今回、アプリケーションサーバ事業を集中分野と位置付けた。これはデータベースとほぼ同じ扱いとなる。最新バージョンである9iASのリリース2では、J2EE 1.3をサポートするという。さらに、同社はベンダおよびソリューションプロバイダと協力し、チャネル営業を強化していく。
「ISVの影響力は強まっている」とKurian氏。「現在、9iASに自社製品をポーティングしているISVは約800社ある。さらに大規模や中規模SIなど合計3000社以上のパートナーが、9iASのトレーニングを受けている」(Kurian氏)。
オラクルによると、同社のアプリケーションサーバのユーザー層は2001年から3倍増え、カスタマー数が1万人に達したという。また、9iASはアプリケーションサーバ市場で、最も速く伸びているアプリケーションサーバという。2002年第1四半期の収益は対前年同期比で96%成長したとしている。
Kurian氏は、先月開催されたJavaOneで基調講演を行っており、アプリケーションサーバのチームのほかのメンバーも、開発者を少しでも引きつけようと、さまざまな取り組みを行っている。製品マーケティングのシニアディレクターのJohn Magee氏によると、Javaへのコミットを示すことにより、Java開発者を9iASに引きつけることに成功しているという。
「Java開発者を引きつけるという意味では、BEAは(オラクルより)先んじていたといえる。だが、この傾向が逆転しつつあることを肌で感じる」(Magee氏)。
オラクルはインストールベースのデータベース製品を用いるというデータベース市場における圧倒的シェアが、アプリケーションサーバ事業の後押しになっているという。
Magee氏は、「データベースサイドの既存のリセラーとの関係を強化し、アプリケーションサーバ技術へとプッシュしている」と述べ、「あらゆるオラクル・データベースの上に9iASを担がせる」と続ける。
最新のガートナーのレポートによると、Oracle 9iはアプリケーションサーバ市場の競争において“ダークホース”であり、現在トップと2位を占めるBEAとIBMとの戦いで無視できない存在という。ちなみに現在、BEAとIBMの2社でアプリケーションサーバ市場の3分の2を占めるとされている。
オラクルはHurwitz Groupの発表したレポートでも好評価を得ている。同レポートによれば、北米における“企業の浸透”あるいはカスタマーにおける実装では、オラクルは首位と発表している。同社のアナリストEvan Quinn氏は、データベース事業と結び付けたオラクルのアプリケーションサーバ事業は予想されているより強力と述べ、総コストも低いとしている。
「BEAやIBMと比較すると、オラクルの方が価格は低いし、自社のほかの製品群との統合という点でも優れている」とQuinn氏は記述している。
だが、価格付けに関しては、同社の顧客の間で論議をかもし出していたトピックスだ。メタグループおよびガートナーの両調査会社は、データベースの顧客に既存のライセンス同意書より高い価格を要求したといわれているライセンス同意書を批判している。アナリストの中には、ここ数四半期間ライセンス収入が継続して減少していることから、既存顧客からさらにしぼり取るつもりだという見解を示している人もいるほどだ。同社の関係者は、同社は単に、ライセンス同意の規則を強化しただけで、顧客ごとの業績は通常どおりだと返答している。
オラクルの勢いに悪影響を与えるような感情が見られるものの、アプリケーションサーバ事業の成長には、チャネルがキーとなると見ているようだ。そして、オラクルは、自分たちはパートナーに親密なアプローチをとっていると主張している。Kurian氏は、データベースのリセラーを含め約900社のソリューションプロバイダの指導にあたっており、引き続き9iASのチャネル事業を推進していくという。
「プラットフォーム上にアプリケーションを構築してくれるVARは、われわれのアプリケーションサーバ事業にとって、不可欠な存在だ」とKurian氏は述べている。
[英文記事]
Oracle
Renews Focus on Application Server
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