オラクルの今後を決める「JDeveloper」

2002/1/22

 米オラクルは、昨年末に米国で開催したOOW(「Oracle Open World 2001」)において、最新の開発環境「Oracle9i JDeveloper」を発表、同社SVP Products & Services MarketingのJeremy Burton氏は、同製品を“(アプリケーション開発の)聖杯(Holy Grail)”に例えて紹介した。

 ビジネスをデータベースからアプリケーション・サーバへ拡大しつつある同社にとって、開発環境は重要な位置を占める。これまでのJDeveloperは米ボーランドの「JBuilder」をベースとしたものだったが、新バージョンでは一新し同社内で作り上げた。製品名も「Oracle JDeveloper」から「Oracle9i JDeveloper」に変え、オラクルは開発環境市場にも本腰を入れることになる。

 JDeveloper新バージョンで追加された機能は、J2EE対応、開発ライフサイクルのトータル・サポート、フレームワーク提供の3つ。

 J2EE対応に関しては、アプリケーションの標準技術であるJava、データ記述としてXML、データ・アクセスとしてSQLをサポートした。

 開発ライフサイクルについては、「手法、ツールともに各種あるが、どの製品も複雑で価格が高い。また、開発ツール間の連携も課題とされてきた。これからのWebサービス時代では、アプリケーションにビジネスプロセスを取り込まなければならない。そのためには、一貫性をもって開発サイクルをまわしていくことが求められる」と同社 製品本部 システム製品マーケティング部 テクノロジーマーケティンググループ ディレクター 鈴木俊宏氏は述べる。同社では、“スタイル確立が重要”というメッセージを込め、新製品で設計、コーディング、デバッグ、チューニング、展開、保守と、開発のライフサイクルをサポートする。

 3点目のフレームワークは、APIの増加や実装パターンの多種・多様化に伴う開発者の負担を軽減するため。J2EEデザインパターン準拠のデータアクセスのフレームワークなどを提供することにより、開発者は独自開発、フレームワークを用いた開発と目的に応じ選ぶことができる。

 「Oracle9i JDeveloper」英語版の出荷候補(RC)版は、同社の会員制サービスOTN(Oracle Techonology Network)を通じすでに入手が可能。日本語版は、OTN-J会員を対象に今月中に早期アクセスプログラムとして提供され、第2四半期中にも「Oracle 9i Developer Suite v2」として一般に出荷される予定だ。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
日本オラクル
OTN-J
「Oracle9i JDeveloper」英語版RC版ダウンロード

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