J-フォンが3Gサービス開始を延期

2002/4/25

同社 代表取締役社長 ダリル E.グリーン氏 「3Gへの3番目の参入は不利ではない」

 J-フォンは4月24日、第3世代携帯電話(以下3G)の商用サービスの開始時期を12月に延期すると発表した。

 当初の予定では、6月30日から首都圏で3Gの商用サービスを開始し、10月から全国主要都市にサービスエリアを拡大する予定だった。

 商用サービスの開始延期の理由については、「3Gの国際標準化機関である3GPP(3rd Generation Partnership Project)の3月の会議において、新たな仕様変更要求が提出され、それに基づくRelease4と呼ばれるソフトウェアがリリースされた。J-フォンでは、国際標準仕様に基づきグローバルな接続性を保つことを最優先課題としているため、本格的なサービス開始の延期を決断した」(ダリル E.グリーン(Darryl E. Green)代表取締役社長)とした。

 「もともと6月30日のサービス開始は首都圏のみであり、実質的には10月のサービス開始が12月に延期になった」(グリーン社長)と述べ、延期による大きな影響はないと強調した。

 商用サービス延期の代わりに同社は、6月30日から首都圏(国道16号線内92市区町村)において3Gの「試験サービス」を開始する。この試験サービスによるユーザーからのフィードバックで、12月からのサービス開始に反映させるという。端末や基本料金などは必要ないが、募集要項などの詳細は未定。主なサービス内容は、

  • 音声通話サービス
  • 個人情報を記録した「USIMカード」を使ったGSM圏における国際ローミングサービス
  • データ通信(64kbps回線交換通信および384kbpsパケット通信)

となっている。また試験サービスで提供される端末は、NEC、三洋、Nokiaの3社が予定されている。

 12月からの本格サービス開始後当初は、首都圏と全国主要都市の合計675区市町村で、人口の約6割をカバーする予定。その後2003年度末までには2261区市町村、人口カバー率約9割に拡大する。

 すでに3Gサービスは、NTTドコモのFOMAがこの4月からサービスエリアを全国に拡大、またKDDIも4月から本格サービスを開始している。J-フォンでは「3番目の参入は、先行2社の体験を元にサービスを充実させられるので有利だ」(グリーン社長)としている。

[関連リンク]
J-フォンの発表資料

[関連記事]
携帯電話は今年、神話を再現できるのか? (NewsInsight)
J-フォン東日本、Java対応コンテンツサービスを開始 (@ITNews)
J-フォン、6月からJavaサービスを開始 (@ITNews)
FOMA、ついに本格サービス開始 (NewsInsight)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)