Linuxは2強時代に? ターボら4社がUnitedLinuxを開発へ

2002/6/1

 米カルデラ、ブラジルのコネクティバ、独SuSE Linuxと米ターボリナックスの4社は、ビジネス向けLinuxをさらに推進していく狙いで、新団体「UnitedLinux」を結成した。新団体は、企業システム向けLinuxの開発や動作検証を共同で行うことを主な活動とし、それを基にしたLinuxディストリビューション「UnitedLinux」の開発を行う。

 4社はそれぞれのブランド名で、UnitedLinuxをベースにした製品を発表する予定だ。これにより、Linux関連企業、ハードウェアベンダ、ソフトウェアベンダやOEM各社は、UnitedLinuxでの動作確認を行うだけで各社のOSに対応できるようになる。4社からUnitedLinuxベース製品が発表されるのは、今年末となる予定だ。

 ソフトウェア開発のほかにも、4社は協力して販売やサポート、教育、ローカリゼーションも進めていく。共通のLinuxをベースにしたサポートやトレーニングなどのサービスがより広範な地域で提供されるようになるため、企業システムにおけるLinuxの導入がさらに加速することが見込まれる。また、エンタープライズにおけるLinuxを推進するため、大規模な研究開発を行う予定もあるという。参加企業については、現在の4社に加え、さらなる企業の参加も検討しているという。

 UnitedLinuxの対応ハードウェアは、IBM eServer製品の全ラインナップ、AMDの32ビットおよび64ビットAthlon、Opteronプロセッサ、インテル x86 32ビットおよびItaniumプロセッサファミリ。LSB(Linux Standard Base)、Li18nux、GB18030などの標準仕様をサポートする。言語は、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、日本語、韓国語(ハングル)、ポルトガル語、スペイン語、簡体中文、繁体中文などをサポートする予定。

 リリースによると、AMD、ボーランド、コンピュータ・アソシエイツ、富士通、IBM、インテル、SAPなどが賛同を表明している。

 現在、Linuxディストリビュータの最大手は米レッドハットといわれているが、この新団体に同社は参加していない。今回の4社の動きは、ヨーロッパ市場で強いSuSE、アジア市場で強いターボリナックスら4社が手を組んでのレッドハット対抗ともとれる。このままUnitedLinuxが順調に推移すると、ビジネス市場におけるLinuxディストリビューションは、レッドハットかLinuxUnitedかに集約されることになりそうだ。

 米IDCによると、現在、北米および西ヨーロッパの主要400社におけるLinux導入率は40%。コミュニティからスタートしたLinuxの最初の節目が、インテルやネットスケープによるレッドハットへの投資とその後の同社の急成長だとすれば、今回のUnitedLinuxの発表は2番目の節目ということになるのだろうか。

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