Java開発へのワン・ツー・パンチを狙う、ボーランドの新製品
2002/6/4
プラットフォーム非依存を早くから掲げ、Java、Windows(.NET)、そしてLinuxをサポートする開発環境を提供してきたボーランドは、新たに品質保証の分野に進出し、古参開発ツールベンダとしての底力を発揮しようとしているようだ。同社は6月3日、Java開発環境の最新版「Borland JBuilder 7」および「Borland Optimizeit Suite 4.2」を発表、「Java開発への決定打」(同社 プロダクト マネージャー 新井正広氏)となることを狙う。
米ボーランドのデール・L.・フラーCEO 「新製品はJava開発へのワン・ツー・パンチ」と自信を見せる。今後進行が予想されるプラットフォームの二極化(Javaと.NET)でも、「優位に立つ」とクロスプラットフォーム戦略を推し進めることを表明した |
米ボーランド 社長兼CEO デール・L.・フラー(Dale L. Fuller)氏は、同社製品の強みとして、開発者の選択の自由と柔軟性の提供に繰り返し触れ、開発ツールベンダとしての同社のミッションを再提示する。
「エンタープライズ系アプリケーションの開発、さらには運用・統合のための技術面でのソリューション提供がボーランドの命題だ」(フラー氏)。先日米国で開催されたデベロッパ・カンファレンス(「BorCon 2002」)では、前回を上回る参加者を集めるなど、開発ツールのデファクトとして認知されていることを強調する。同氏によると、IDCやガートナーなどの調査会社からJava開発ツールのナンバー1と位置付けられており、「JBuilder」のシェアは45%を上回るという。このほかにも、Webサービスやモバイルへのいち早い対応、Linuxをネイティブでサポートする唯一の開発ツールベンダであることなどを挙げ、優位性を示した。
同社のクロス・プラットフォーム戦略の成功は、数字の面でも表れている。例えば、直近の四半期の実績によると、営業利益は前四半期比44%増の1800万ドルを達成している。今後もフォーカスはカスタマ。「より規模の大きな開発プロジェクトのサポート、TCOの削減、高品質、開発期間の短縮と効率化、これらを実現して、ソフトウェア開発を進化させる」とフラー氏は語った。
「Borland JBuilder 7」 |
新製品JBuilder 7では、J2EEへのフォーカスをさらに強め、より大規模なプロジェクトに対応できるよう、各種機能を加えた。最新技術へのサポートとしては、JAX RPC(Java API for XML-Based RPC)への対応、EJBコンポーネントをWebサービスとして公開できるなど、JavaによるWebサービスの活用がより容易に実現できるようになっている。また、「BEA WebLogic 7.0」など各種アプリケーションサーバの最新版にも対応している。
製品の大きな特徴は、Antベースのビルド・システムの導入。build.xmlからJBuilderプロジェクトの生成や追加が可能となるなど、複雑なシステム構築に対応できるほか、コマンドラインツールなど外部ツールのビルドプロセスへの統合も行える。
また、ソースコードの修正や追加など、ソースコードのメンテナンスに関しては、リファクタリング機能を強化して対応した。名前変更に加え、メソッドの抽出、変数の導入など、コード修正の効率性が増すという。
JBuilder 7のラインナップは、Enterprise(希望小売価格:36万円)、SE(希望小売価格:4万8000円)、Personal(無償)の3つ。EnterpriseおよびSEは、6月24日より出荷を開始する。Personalは、7月中旬よりダウンロード可能となる。
「Borland Optimizeit Suite 4.2」 |
Optimizeit Suite 4.2は品質保証ソリューションで、Javaコードのパフォーマンス向上を実現できる製品。「Optimizeit Profiler」「Optimizeit Thread Debugger」「Optimizeit Code Coverage」の3製品で構成され、JBuilderと統合して利用できる。Profilerは、メモリ分析、CPUプロファイリングなどアプリケーションのパフォーマンスを改善できるツールを備え、Thread Debuggerは、マルチスレッドで生じるバグの解決を支援する。Code CoverageではQA作業を支援、使用されないコードを表示するなどの機能によりアプリケーション軽量化も実現するという。
Optimizeit Suite 4.2の希望小売価格は24万円で、出荷は6月24日の予定。
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ボーランドの発表資料
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