「Kylix 2」はWebサービス機能が充実

2001/11/10

米国で11月6日に出荷が始まった「Kylix 2」

 米ボーランドは、Linux用のビジュアル開発環境「Kylix 2」を出荷した。新バージョンでは、Webサービスとの統合機能などが新たに加わっている。

 Kylix 2.0はWebサービスとXML機能を強化、LinuxとApache上のビジネス・アプリケーションをWebサービスに拡張できる。また、同社のWindows開発環境製品「Delphi 6」と組み合わせて用いることにより、LinuxとWindowsのクロスプラットフォームでのWebサービス開発環境が実現するという。

 最新版では、最新のコンパイラ技術を持つビジュアル・ツール、「BizSnap」(WebサービスRADツール)、「WebSnap」(ApacheからWebサーバへの移行機能)、「DataSnap」(Webサービス対応のデータベース・ミドルウェア構築機能)などを持つ。これにより、XML文書の取り扱いが簡便になったほか、アプリケーション統合も容易に実現できるという。サポートするWebサービスのプラットフォームは、マイクロソフトの.NET、BizTalkと、J2EEベースのサン・マイクロシステムズのSun ONE。もちろん、SOAP、WSDLなどのプロトコルにも対応している。

 製品は、「Kylix 2 Enterprise」「Kylix 2 Professional」と、GPLに従ったオープンソースの「Kylix 2 Open」の3エディションがあり、価格はそれぞれ、1999ドル、249ドル。Openは、同社サイトよりダウンロード可能。

 Linux初のビジュアル開発環境であるKylixは、日本で初バージョンの概要が今年2月に明らかになるや注目を集めた(日本語版は今年5月に出荷が開始された)。米Evans Dataでは今年10月、KylixはLinux開発者で最も用いられている開発ツールという調査結果を発表している。注目のWebサービスに早くも対応したことで、新バージョンでも開発者の期待にこたえる内容といえそうだ。日本語版発売に関する詳細は、11月10日現在では未定。

[関連リンク]
米ボーランドの発表資料
Kylix 2 Openダウンロード

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