ファイアウォールをブレード化して冗長化を実現、アズジェント
2002/6/20
「X40S」 |
アズジェントは6月19日、セキュリティアプライアンス新製品「X40S」を発表した。モジュール構成のブレード型で、高可用性が特徴。開発元は米クロスビームシステムズ(Crossbeam Systems)。7月より販売を開始する。
X40Sは、1つの筐体にアプリケーション、ロードバランサ、スイッチの機能を持つアプライアンス製品。大規模システムで高可用性を実現しようとした場合、現状では複数のファイアウォール、ロードバランサ、スイッチなどを組み合わせた複雑なシステム構成をとる必要がある。しかし、新製品ではこれらの機能を1台に搭載することにより、ネットワークの複雑性にまつわる課題や多額なコストなどの問題を解決できるという。ファイアウォールの上下にロードバランサ2台を設置したサンドイッチ構成と比較すると6分の1の設置時間、4分の1の設定時間ですみ、コストも平均で50%以上削減できるという。
製品は、アプリケーション処理のAPM(Application Processing Module)、コントロール処理のCPM(Control Processing Module)、ネットワーク処理のNPM(Network Processing Module)という3種類のモジュール型ハードウェアで構成される。特徴は高可用性、高性能、オープンプラットフォームの3つ。
1つ目の高可用性と2つ目の高性能は、データパスとコントロールパスを独立させデュアル構成の「4−STAR ARCHITECTURE」と呼ばれるアーキテクチャで実現する。高可用性では、アクティブな状態での冗長構成を実現した。複数のAPMのブレードを搭載することにより、1つのブレードがダウンしても別のAPMに自動的にフローがロードバランスされる。モジュールのほか、インターフェイスや電源、ファンも完全多重化されており、ホットスワップも可能だ。2つ目の高性能は、APMを多重化することにより実現する。最大10枚まで設置可能で、最大で実行時8GBのスループットを実現する。3つ目のオープン性としては、LinuxをベースとすることによりIDSやフィルタリングなどの各種セキュリティ製品の搭載を可能とした。
同社 代表取締役社長 杉本氏 |
同製品は、標準でチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの「CheckPoint VPN-1」「CheckPoint FireWall-1」「CheckPoint VSX」をサポートしており、あわせて提供する予定。
同社 代表取締役社長 杉本隆洋氏は、ギガビット対応製品の低価格化や需要の高まりなどで導入が増えていることに触れ、「(それらの製品の)パフォーマンスは十分に引き出せていない」と現状を分析する。新製品は、「冗長化に必要な機能を1台に集約し、簡単な設定でギガビット製品の性能を100%引き出せる」と述べた。
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