[WEB SERVICES Conference開催]
W3C、Webサービスへの取り組みを語る
2002/7/13
WebサービスをテーマにしたIDGジャパン主催のイベント「WEB SERVICES Conference」が、7月11日、12日の2日間、都内で行われた。特別講演では、W3CのWeb Services Activity Lead ヒューゴ・ハアス(Hugo Haas)氏が、「Webサービスの可能性を最大限に引き出すために」というテーマでプレゼンテーションを行った。
W3C Web Services Activity Lead ヒューゴ・ハアス氏 |
W3Cは、HTMLやXMLなどWorld Wide Web関連の標準を策定している非営利団体。ヒューゴ氏はそこで、Webサービス仕様の標準化活動をとりまとめている。W3CではWebサービス関連仕様を、「Webサービス・アーキテクチャ・ワーキンググループ」「XMLプロトコル・ワーキンググループ」「Web Services Descriptionワーキンググループ」の3つのグループに分かれて検討しており、それらのグループをまとめるために、上位に「Web Services Activity」が存在している。
ヒューゴ氏は、Webサービスが、マシン同士のオートメーションを実現するとしたうえで、マシン同士の対話を確実に行うためには、メッセージのセマンティクスをいかに理解可能にするかが大事だとした。ここでいうメッセージとはXML文書のこと。セマンティクスが実現されていれば、マシンがXML文書の中身を理解するのに、予備知識を必要としない。対話の相手をダイナミックに選ぶためには必要なことだ。
このセマンティクスを実現するために「オントロジー」を整備する必要があるという。例えば、XML文書の中に「航空券」という用語が使われていた場合、航空券には「払い戻し可能なもの」「払い戻し不可能なもの」の両方を含んでいる。このオントロジーが整備されていれば、「安い航空券を探せ」という人間のリクエストを受けると、さまざまなサーバに問い合わせを行い、払い戻し可能/不可能なさまざまな航空券の中からもっとも安いものを探し出すことができる。
使いやすいWebサービスを実現するには、このほかにもコミュニケーションプロトコル、サービスの内容の記述方法、セキュリティやプライバシーの確保、対話の実現手段など、さまざまな仕様を策定していかなければならない。と同時に、Webサービスが現在のWorld Wide Webとうまく統合されていることが重要だとした。
コミュニケーションプロトコルとしては、現在SOAP 1.2が策定中であり、サービス内容の記述では、WSDL 1.1が策定中。ほかにもさまざまな標準が必要だが、W3CではこうしたWebサービスの関連仕様をロイヤリティフリーで提供していくという。
(編集局 新野淳一)
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