「MPEG-4をビジネスにする」と米アイヴァストが日本へ進出
2002/8/6
ブロードバンドが普及する中、リッチコンテンツの台頭が予言されている。そのための圧縮・配信規格として注目を集めているのがMPEG-4だ。米アイヴァスト(iVAST)はMPEG-4を専業として1999年に設立された。この度、日本オラクル、サン・マイクロシステムズと提携し、この夏より日本に本格進出する。
アイヴァストの主軸となる製品が、「iVAST MPEG-4 Platform」。米国で8月1日に発表され、日本でもまもなく提供開始の予定だ。
iVAST MPEG-4 Platformの特徴は、MPEG-4コンテンツの作成、配信、そしてユーザーの利用(再生)と、一貫したソリューションを提供すること。制作環境として4製品、配信環境として2製品、再生環境として1製品と、他のアプリケーションにMPEG-4形式でのファイル出力機能を追加できるSDKの合計8製品で構成される。これらの製品を用いることで、MPEG-4形式での画像の圧縮およびエンコード、2Dグラフィックスなどへのインタラクティブ性の付加などのオーサリング、MPEG-4およびISMA v1.0準拠での配信やオンデマンド配信、そして再生までが実現できる。
MPEG-4、J2EE、XMLをサポートし、配信では、インターネットやイントラネット、ワイヤレス、有線ブロードキャスト、衛星放送、ケーブルテレビなど、さまざまなネットワーク標準やメッセ―ジング・プロトコルに対応している。また、大量のコンテンツに対応できる点も強みという。
左から、日本オラクル パートナー営業本部 ブロードバンドビジネス推進部 ディレクターの堀亮一氏、米アイヴェスト アジア・パシフィック VP&ゼネラルマネージャー マイケル・バトリック氏、サン・マイクロシステムズ 取締役 木村裕之氏 |
再生ツールとしてはすでに、Real PlayerやQuickTime、Windows Media Playerなどがあるが、それぞれ独自の圧縮配信の方式なのが欠点だった。それらと、MPEG-4および同規格を用いた同社製品の大きな違いは、標準ベースであるため、1つのコンテンツでさまざまなチャネルで流通させられる点にある。
そのMPEG-4をビジネスとして具現化するにあたり、課金や広告配信などの仕組みで、CRMのデータベースやプラットフォームとの連携は必須だ。そこで、オラクル、サンと提携し、「現時点ではビジネスになっていないMPEG-4をビジネスに変えていく」(同社 アジア・パシフィック VP&ゼネラルマネージャー マイケル・バトリック(Michael S. Buttrick)氏)という。
同社はまた、今年に入り、オランダのフィリップスや米LSI Logicと、各社のチップに同社のソリューションを移植する提携を結んでいる。これにより、家電製品やTVのセットトップボックスなどに同社のソリューションを組み込んだものが来年にも登場するという。
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